カルケドン・レポート翻訳




文化的闘い


コーネリアス・ヴァン・ティル(*)


 クリスチャンは、聖霊によって生まれ変わった人です。聖霊はキリストの御業を私たちに転嫁します。生まれ変わったクリスチャンは信仰者です。彼はすべての業をイエスが主であるとの信仰から行います。

 彼はキリストのヴィジョンを道・真理・生命であると考えます。彼は、キリストのヴィジョンがサタンと闇の王国に対して勝利すると信じます。

 彼は、キリストの御国に入るだけではなく、御国の建設のために役立つ者であるということを知っています。「神によって、私たちはキリストにあって勝利する以外ないのである。そして、あらゆる場所においてキリストの知識の香りを放たざるを得ないのである。この神に感謝が捧げられるように。」(第2コリント2・14)

 これらのパウロの言葉は、絶えずクリスチャンの心奥で鳴り響いています。彼は、自らの文化的な活動が主にあってけっして無駄にならないことを知っています。

 彼は、サタンがクリスチャンの文化を滅ぼそうとしていることを知っています。サタンは、キリストに背を向けている人々の文化の中にクリスチャンの文化を取り込むことによってそれを滅ぼそうとしているのです。

 クリスチャンは、歴史の全過程が、暗闇の力の王子の文化と、世界に生命と光をもたらすキリストの文化との間の生死をかけた闘いであることを知っています。

 クリスチャンは、まず第一に、自分自身の内側においてクリスチャンの文化的闘いに勝利しなければならないこと、そして、次に、信仰と真の文化を破壊しようとする者たちと闘わねばならないことを知っています。

 彼は、クリスチャンの文化とノンクリスチャンの文化の間の闘いの武器は霊的なものであることを知っています。もしキリストにある友、兄弟なることを願っている人々と闘う際に、野蛮な方法を採用するならば、まして、武力をもって闘おうとするならば、彼は自分の文化の基準を否定し、自分の理想にそぐわない方法を採用したことになるのです。


(*)Cornelius Van Til, Essays on Christian Education (Nutley, NJ, 1974), 7 cited from Chalcedon Report, February 1996, p.13.

This passage was translated by the permission of Chalcedon.


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