悲観的終末論を信じている限り信徒の増加は期待できない

 

人口爆発論(資源が枯渇する一方で人口が増え続けるならば、人類は将来の破局を迎えざるをえないと唱える説)の影響は、クリスチャン家庭にも及び、その少子化に拍車をかけている。

しかし、この説は、現存の資源にだけ注目し、人類が未来において作り出す様々な新しい技術や発明などによる新たな生産力を無視する傾向があるので、真に受けるべきではない。

1971年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者サイモン・クズネツは、次のように述べている。

「『現存の』資源に限界があることは明らかであると言うことによって、新しい発見や発明やイノベーションによってもたらされるまだはっきりとは認められない潜在力の影が薄くなるという傾向が、この分野の文献に見られるのであるが、この執拗な偏見には正当な根拠はまったくない。」("Popuration Change and Aggregate Output," in Demographic and Economic Change in Developed Countries (Princeton: Princeton University Press for the National Bureau of Economic Research, 1960) p. 175, cited in Gary North, 'Dominion Covenant', p. 171.)

創世記1・28において神は、「生めよ、増えよ、地を満たせ」といい、「そして、地を従えよ」と言われた。「人口増加」と「支配」とは密接な関係にあるので、もしクリスチャンが「地を従えよ」との命令に対して真剣に応えたいならば、互いに「多産」を奨励し合うべきである。

しかし、現在流行しているディスペンセーショナリズムの再臨切迫論は、人々に遠い未来を見せないことによって、クリスチャン家庭の多産を妨害している。

クズネツは、ジェームズ・A・ウェーバーの一文を引用して、ある民族の少子化の真の原因の一つは、未来志向ではないことにあると述べている。

「…人口増加率が一定であるか、または小さい場合、それは、未来への信仰が人々の間で欠如していることの証拠である。」(James A. Weber, Grow or Die! (New Rochelle, New York: Arlington House, 1977), p. 21. cited in Ibid., p. 3.)

ここから、非未来志向の考えは、生物学的な人口増加だけではなく、霊的な人口増加をも妨害するということが、容易に推論できる。

ポスト・ミレに立たない教会は、生物学的にも、霊的にも、信徒の増加を期待できない。

 

 

03/02/12

 

 

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