オウムの事件や、最近の凶悪犯罪を目の当たりにしているにもかかわらず、相変わらず朝日新聞は死刑廃止論である。

　本日の朝刊にも、「先進国において死刑制度があるのは日本だけである。」とあった。

　先進国のやっていることがすべて正しいのだろうか？

　「先進国では、○○は許可されており、××は禁止されている。だから、日本も乗り遅れないようにしなければならない。」とか、「時代の趨勢は△△に向っている。△△に反対することは、時代の流れに逆行することである。」と言った論調の底に流れているのは、「歴史は神である。」とのヘーゲル哲学である。歴史とは、絶対精神の自己進化運動の過程であり、それゆえ、歴史の流れに逆らうことは神に逆らうことなのである、と彼は言う。進化論や共産主義も、この絶対精神自己進化説から生まれた。

　近代主義を無批判に取り入れる牧師も、講壇からこのように語るのであるが、それは、神の御言葉に対する反逆である。

　聖書は、「歴史の流れではなく、神の規範が絶対の規準である。」と述べているのであるから、クリスチャンは、「□□が流行っているから、うちの教会でも取り入れよう。」というのではなく、「□□が流行っているが、御言葉はどう言っているのだろう？」と聖書を調べて、流行をチェックしなければならない。

　時代の趨勢は神ではない。だからクリスチャンは、時代の流れに従うことを第一に求めてはならない。むしろ、時代が悪い方向に流れているならば、聖書によってそれを逆流させなければならない。

　世界の先進国が死刑廃止に傾いているからと言って、安易にそれを取り入れるなら、日本は逆に世界からますますバカにされるだろう。