ゲイリー・ノースと2000年問題

 

ゲイリー・ノースが2000年問題で、西洋文明の破局まで示唆したが、再建主義には、このような結論を導き出す教理は存在しない。

これは、あくまでも、ゲイリー・ノースの意見なのだ。

後千年王国説は「キリストの王国は歴史を通じて発展し、諸国民が弟子となる」と主張するだけで、2000年問題を通じて西洋文明が破局することをそこから導き出すことはできない。

これは、逃げだろうか。都合のよい時に、受け入れ、都合が悪くなると切り捨てることなのだろうか。そうではない。事実、ここまでの破局を主張した人は、他に存在しないからだ。私の知る限り、再建主義の中で、都市の暴動を回避するために田舎に引っ越した人は、彼だけである。

他の再建主義者は、ただ、「誤作動によって破局的なダメージが起きるかもしれない。いや、起きないかもしれない。しかし、最悪に備えることは大切だ。」と主張しただけである。誰も、文明の破局まで示唆した人はいないのだ。

しかし、考えて見れば、ゲイリー・ノースの警告は、少なからずアメリカの政府を動かし、その結果、世界の政府や諸機関にY2K問題への対応を促したのは事実ではないか。

もし、周到な準備がなかったならば、恐らく、都市にはかなりの損害が及んだのではないだろうか。たとえ、誤作動の影響が小さなものであり、ミサイルの誤発射などの重大な問題が発生しなかったとしても、そのような小さなミスが積み重なれば、市民の生活に少なからぬ影響があったはずだ。

私は、彼のセンセーショナリズムや押しつけがましさには問題があったと思うが、それでもやはり、彼は、何等かの仕事をしたと思う。

裁きが来ると警告したが全員が悔い改めたために何も起こらなかったニネベへの預言者ヨナの悲哀を彼も味わったのではないだろうか。

 

 

 

2001/08/27

 

 

 




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