オカルトに対抗できる者

 

 最近、テレビや新聞など、占いコーナーが目立つようになった。

 霊の世界について教えられていない日本の子供たちは、こういったサタンの攻撃に対して無防備である。

 だから、知らず知らずの内に、サタンによって心を開拓され、気づいたときには、心を占領されているということがある。

 オウム事件の一つの遠因は、超能力本やオカルト番組である。

 麻原の説法にはこれらの影響や、通俗終末預言(クリスチャンが書いたものも含め)の影響が見える。

 その背後にある闇の力について無知な人間は、そういった番組を見て知らず知らずのうちに影響を受け、麻原のような人間の言葉を容易に受け入れてしまう。

 こういった神秘主義の傾向に対して、早稲田大学の大槻教授が科学の立場から理性主義の論陣を張っているが、大槻教授が立つ現代科学そのものが、「人間にとって意味のない世界は切り捨てて考えよう」というカント主義の迷信に毒されているのであるから、対抗できるはずがない。

 「物理法則に従わないで起こることは何もない。」といくら口角泡を飛ばしても、物理法則だけではない事柄が起こるという世界の現実を直感的に理解している子供たちには説得力はない。

 人間は、倫理的な法則があって、善行と悪業にはそれ相応の報いがあるということを本能的に理解している。物理法則だけでは説明できない世界が存在することを誰もが理解している。もしそうでなければ、人間は何物も恐れずに不道徳なことを行えるはずである。しかし、良心の抑制は、現実に存在する事実なのだ。

 現代のオカルト傾向に歯止めをかけるのは、キリスト教の世界観だけである。

 キリスト教は、世界には、倫理的な因果律が働いており、霊の世界が存在することを教えている。

 オカルトに興味を持つ人は、サタンの餌食になり、全人格を支配されることすらあるということを警告できるのはクリスチャンだけである。

 

 

 



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