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発生プロセスをも支配する遺伝子が偶然に成立した?

 

 

(1)NHKのサイエンスアイという番組でオサムシの遺伝子の変化により進化の系統を調べる研究が紹介されていた。

 

 少しずつ遺伝子が変化する過程を調べることにより、進化の道筋がわかるという。

 

 しかし、これは、進化を証明したことにはならない。

 

 はじめから遺伝子がそのようであったかもしれないからだ。

 

 少しずつ遺伝子のコピーミスが積み重なるという事実があっても、オサムシの様々な種が「このようなコピーミスによって生じた」ことを証明することには必ずしもならない。

 

 はじめからオサムシがそのように多種として創造されていたかもしれないのだ。

 

(2)また、オサムシの変異が、生物の大進化を説明すると述べていたが、はたしてそうであろうか。

 

 生物の大進化を証明するには、何らかの有用な器官が、それを持たない種から突如として出現したことを遺伝子変異だけによって証明しなければならない。

 

 

 例えば、何度も例に出すが、糸を出して巣を作るクモが、そうではないクモから進化したというケースである。

 

 突然変異によって、遺伝子の変化が起こっても、それが、きわめて精緻で合目的的な器官を生じさせる確率はきわめて低い。

 

 なぜならば、糸を出して巣を作ることが偶然の遺伝子の変異によってなったというのであれば、

 

 (1)糸を生産する器官の成立

 (2)糸にねばりけをつける化学的物質の生産

 (3)糸をつむいで巣を作る本能の獲得

 

 などの要素が欠けなく偶然にそろわなければならないからだ。

 

 これは、偶然にそうなったということは不可能である。

 

 

(3)また、遺伝子は、ただ完成された形質を出現させるだけではなく、発生をも支配しなければならない。

 

 つまり、糸を作る器官を発生させるメカニズムすらも統御するような遺伝子を偶然に獲得しなければならないのだ。

 

 これは、大変なことである。

 

 人間が作る機械は、はじめからそのような形をしている。

 

 エンジンは、はじめからエンジンである。

 

 鉄の塊が成長してエンジンに変化するのではない。

 

 しかし、クモにおける糸を作る器官は、最初、いかなる器官も現われていないのっぺりとした胚から、時間とともに徐々に形成される。

 

 生物の諸器官は、細胞分裂とともに、オーガナイザーによって徐々に形成されて、最後に役に立つ完成された器官に成長する。

 

 遺伝子にはこれらの器官形成の過程がしるされている。

 

 遺伝子のコピーミスが、この過程において何らかの狂いを生じさせ、正常な器官が形成されないということがある。

 

 遺伝子は、単に器官の設計図ではなく、器官を生じさせるための道筋をも支配する「発生プロセスの計画図」でもある。

 

 さて、このような発生プロセスすらも支配する図面が、偶然に描かれるということがあるであろうか。

 

 これほどまでに、人格的な仕組みを持つ生物というものを、「人格者による創造」という前提ぬきに語ることができるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 



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