千年王国主義について

 

<ご質問>

千年王国主義という考えかたがいまいちよく分かりません。

現存する芸術作品や、文学などから千年王国主義的解釈をわかりやすくやって、

例を挙げてもらえませんか?

 

<お答え>

千年王国主義には、前千年王国説、無千年王国説、後千年王国説という三つがあります。

これらは、芸術作品や文学を解釈するための学説ではなく、歴史がどのように進むかに関する聖書の教理です。

前千年王国説は、千年王国が始まる前にキリストが再臨して、地上に降り立ち、キリストを中心として世界が未曾有の祝福された状態になり、平和と安全と繁栄が千年間続くと考えます。キリストの再臨の前においてキリストは王ではなく、クリスチャンも王ではありません。むしろ、世界の終末において反キリストという一人の独裁者が世界を支配し、教会は迫害され、クリスチャンのなした文化的な営為はすべて水泡に帰すると考えます。

無千年王国説は、キリストが昇天して天地の王になったときから千年王国は始まっており、現在の時代は、千年王国の時代であると考えます。すでに死亡しているクリスチャンは、天においてキリストとともに支配していると考えますが、地上に生き残っているクリスチャンは、王ではなく、この世界を支配しているわけではないと考えます。それゆえ、クリスチャンの文化的営為が成功するかどうかは保証されておらず、地上が祝福の状態に回復することを保証しません。

後千年王国説は、無千年王国説と同様に、キリストが昇天して天地の王になったときから千年王国は始まっており、現在の時代は、千年王国の時代であると考えます。しかし、無千年王国説とは異なり、天にいるクリスチャンだけではなく、地上に生き残っているクリスチャンも王であり、この世界を支配していると考えます。それゆえ、クリスチャンの文化的営為は必ず成功し、地上が祝福された状態に回復し、世界の民族がキリストの弟子となることを保証します。

このように、これらのいずれの説を取るかは、クリスチャンの地上的生活に大きく影響を与えます。

前千年王国説と無千年王国説は、クリスチャンの文化的営為によって地上が改革されることを信じません。彼らは、その証拠として現実の世界の悲惨な状況を指摘します。「同時多発テロを見てください。こんなにサタンが働いているのに、これからばら色の世界がやってくるなど信じられません。」と言います。

そして、クリスチャンがなすべき仕事とはこの世界を改革することではなく、一人でも多くの人々に福音を伝えて、天国行きのキップを渡すことであると考えます。

しかし、これらの説にとって決定的な欠陥は、マタイ2819-21節の「世界のすべての国民を弟子としなさい。彼らにバプテスマを授けて、わたしが命じたすべてのことを守るように教えなさい。」という大宣教命令を無視するところにあります。もし、この命令を尊重するならば、「世界の国民を弟子とし、キリストの命令を守る者に変えることは可能である」と信じて、そのために努力するはずです。しかし、彼らは、そのように言いません。むしろ、「大宣教命令は、『世界の国民に福音を伝えること』を意味する。福音が世界に伝われば、キリストの再臨があるはずだ。我々は、世界の国民をキリストの命令を守る者に変えることまでは命じられていない。」とすら言うのです。これは、明らかに、大宣教命令の曲解です。イエスは、明らかに「弟子とせよ」と命令しているのです。ただ単に「福音を伝えるだけでよい」とは教えていません。

前千年王国説と無千年王国説は、実質的にクリスチャンに対して「地上世界を変えることを諦めよ」と言っている教えですからサタン的なのです。

聖書は一貫して地上世界を変えることが人間の使命であると述べています。

 

(1)神はアダムに「地を従えよ」(創世記128)と命令されました。人間は地球を管理し、そこに文明を築き、神の御国を建設するために創造された。
(2)アダムが堕落した後でも、ノアに同じ命令が与えられた(創世記91)。
(3)イエスは、「御国が来ますように。御心が天において行われているように、地上でも行われるように」祈れと言われた。地上が神の御国となり、そこにおいて神の御心が行われるようになることは神の御旨である。
(4)イエスは、「あなたがたは世の光、地の塩である」と言われた。世に対して光となり、御心を知らせ、世を導き、地の堕落を防ぐ防腐剤の役割を果たせ、と言われた。
(5)イエスは、「すべての国民を弟子とせよ」と言われた。
(6)イエスは、「敵が足台となるまで、天にとどまって」(マタイ2244、へブル113)おられる。
(7)イエスは、万物が回復されるまで「天にとどまっていなければな」(使徒321)らない。
(8)敵を征服する仕事はクリスチャンに委ねられている。「平和の神は、すみやかに、あなたがたの足でサタンを踏み砕いてくださいます。」(ローマ1620
 

19世紀初めから今日まで、サタンはディスペンセーショナリズムの前千年王国説という異端的教えを教会に流行らせて、クリスチャンがこの地上世界に対して働きかけることがないように、陰謀を働かせてきました。ディスペンセーショナリストたちは、180年もの間「再臨が近い」「終わりは間近だ」「彼が反キリストだ」と言い続けてきましたが、ことごとく「予言」は外れてきました。先日の同時多発テロを見て、「世界最終戦争が始まった」と言って、教会堂建築計画を中止した牧師がいました。このような、切迫再臨信仰は、人々から文化的改革の動機を奪い、長期的な計画を立てることをできなくしてしまいます。人々は、常にあせっていて、その関心は教会の中の事柄と、伝道だけに留まります。

教会は、クリスチャンを文化的無能者にするこれらの異端的教えを捨てる必要があります。

そして、初代教会から20世紀初めまで主流神学として世界を変えてきた、後千年王国説に立ちかえる必要があります。

 

 

02/02/01

 

 

 

 

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