千年王国主義について2

 

<ご質問>

たいへん丁寧に説明してくださってありがとうございました。

この思想は今現在特にアメリカ人の生活に深く根付いていると思います。たとえば、映画アルマゲドンの中にも、アメリカ人の千年王国主義的部分をみることができます。そのような感じで、何かわかりやすいものの中に、千年王国主義的な面が存在する例はないでしょうか?

 

<お答え>

そうですね。面白い例としては、バック・トゥー・ザ・フューチャーという映画があります。

ダメ男の父親と、そんな夫を軽蔑している母親に育てられ、生気のない貧しい家庭の末っ子として育った主人公は、ある変人の研究者の作ったタイムマシンに乗って過去に遡ります。

それは、自分の父親と母親が青年だった1950年代です。

父親は臆病なダメ学生で、母親の気を引くことができません。

しかし、主人公の助けで、父親が、ガキ大将に乱暴されている母親を救うために、勇気をふりしぼって彼を殴り倒してから運命はまったく変わります。

タイムマシンで現代に戻ってみると、父親は大作家になり、自信に満ち、立派な家に住んでいます。

これは、アメリカの文化の中に、「未来は自分の努力によって変わる」という楽観的未来観があることを感じさせます。

アメリカの文化の土台は、後千年王国説の世界観を持っていたピューリタンたちによって作られているので、アメリカ人は、運命論者ではありません。しかし、最近アメリカにおいて流行している前千年王国説によって、アメリカのクリスチャンたちは、運命論者、悲観論者に変わってしまいました。

しかし、アメリカ人の中に「アメリカンドリーム」に象徴される楽観的未来観は根強く残っているので、いずれ、アメリカのクリスチャンたちも、前千年王国説から後千年王国説に変わることでしょう。

 

 

02/02/01

 

 

 

 

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