フレデリック・ノーランの公認本文擁護


本文批評家の最新の写本発見や研究は、歴史の大部分において教会が使用していた多数派本文に属する公認本文(Textus Receptus=Received Text)を拒絶し、ほとんど見向きもされなかった少数派の信用のおけない写本を採用している。彼らによると、

(1)マルコ福音書の最後の12節はオリジナルには含まれていなかった
(2)姦淫の現場で捉えられた女の話(ヨハネ7・57-8・11)は疑わしい。
(3)三位一体やイエス・キリストの受肉を証言する第1ヨハネ5・7も疑わしい。
(4)他の多数の個所においても、削除や挿入、変更が必要だ。

ということらしい。

サタンはエデンの園以来、御言葉を攻撃してきた。人々から御言葉を奪うことこそ、サタンの第一の作戦である。それゆえ、我々は、聖書本文に関する問題には特別の注意を払う必要がある。

今から200年前(1815年)にフレデリック・ノーラン(Frederick Nolan)は、公認本文を擁護する著作”An Inquiry into the Integrity of the Greek Vulgate, or Received Text of the New Testament”を発表した。当時すでにこの問題は広く知られており、誤った本文批評理論に反論する人々がいた。その中の一人ノーランは、近代の本文批評を徹底的に調べ、詳しく検討し、公認本文を強力に擁護した。

ノーランの著書は、6章からなる。

第1章:
公認本文を攻撃した本文批評がどのような体系を成しているか説明している。とくに、ギリシャ語新約聖書の既存の写本を分類し、彼らが、なぜ少数の信頼できない写本を選択し、公認本文の底本となった写本の大多数を拒絶したのか、説明している。

第2章
これらの写本が歴史的により正確に分類されている。

第3章
公認本文の基礎となった写本のグループが弁護される。ノーランは、残りの2つのグループが、邪悪な意図を隠し持つ異端者によって選択されたものであり、公認本文の底本こそ、ギリシャ語新約聖書のオリジナルの原典のコピーであると言う。

第4章
公認本文が全般的に正確であり、キリスト教開始初期300年の間、様々な改竄から守られてきたことが説明されている。

第5章
教理的に重要な個所を取り上げ、新しい「批評的本文」においてどのように省略され、もしくは、追加されたかが説明され、それぞれに対する公認本文の正しさが証明されている。

第6章
残りの2つのグループを支持する異端者たちが加えた改竄を取り上げ、再び徹底してビザンチン写本と公認本文の正しさを説く。

http://www.americanpresbyterianchurch.org/the_received_text.htm

 

 

2004年2月13日

 

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