プレ・ミレ及びポスト・ミレの千年王国における統治観の違い

 


(1)
プレ・ミレ千年王国説における統治観は、キリストの全体主義的トップダウン式支配を唱える。

http://www.millnm.net/qanda2/premilw.gif

再臨したキリストは、千年間、イスラエルの神殿から世界を支配する。今10億人ほどいると言われるイスラム教徒は、キリストとそれに従うクリスチャンに服従する。

千年王国時代になると聖書律法が適用されるから、クリスチャンは聖書律法に従わないイスラム教徒たちを軍事力と警察力を使って無理やり聖書に従わせる。

(2)
ポスト・ミレ千年王国説における統治観は、キリストに対する自発的服従を唱える。

歴史が進展していく過程で伝道が進み、すべての民族が福音によって回心する。現在イスラム教を信じているアラブ人も、聖霊の働きにより、将来キリストを主として受け入れるようになる。回心した人々は、キリストを愛しているので、キリストの戒めである聖書律法を生活のあらゆる領域に適用することを望む。

家庭、教会、国家、会社、個人など、様々な領域は互いに独立しており、それぞれ聖書律法によって直接にキリストに服従し、国家が家庭を支配したり、教会が国家を支配することはない。各領域は、直接キリストと契約を結び、その中の代表者がそれぞれの領域を管理する。

http://www.millnm.net/qanda2/postmilw.gif

ネオコンや米宗教右派が、中東を支配する方法は、プレ・ミレ的である。

「正しいもの(民主主義や西洋的価値観)は暴力を用いてでも、イスラム教国に適用してあげるのがよい。」という啓蒙専制君主的、帝国主義的な支配の方法は、ポスト・ミレとは無縁である。

批判者はこの違いをよく理解すべきである。

 

 

2003年12月5日

 

 ホーム

ツイート