民主主義と独裁主義

 


民主主義と独裁主義は、常に緊張関係にある。
民主主義の政治は、容易に衆愚政治に陥る。全体のことを考えるのではなく、地域や業界の狭い利益を代表する人々を議会に送り込み、利益誘導することが普通になると、全体の利益が阻害されて、その政治システムそのものに対する不信感が募り、やがて、人々は全体のことを考えてくれる独裁者を求めるようになる。
今の日本はこれと似た状況にあるといえる。
ペルーでフジモリ大統領は今の小泉さんのような立場にあった。
ローマのユリウス・カエサルも同じだった。
族議員などが跋扈すると、政治システムそのものに対して有効性が問われるようになるが、これはどのような権力者でも恐れることである。民意が変わると、どんなに弾圧してもその流れを逆戻りさせることはできなくなるからである。
元老院政治に固執し、弾圧によって古い体制を残そうとした人々も、カエサルの改革に勝てなかった。カエサルを暗殺しても、この流れを止めることはできなかった。
今回、自民党は、公明党の力を借りずには勝利できなかった。おとなしい国民の上に胡座をかいて、好き勝手なことをやり、腐り始めると、結局破滅が待っているということを、政治家は肝に銘じるべきだ。
国民は、豪腕をふるえる人間を待望するようになっているのである。
「根回しを十分にやって…」と苦言を呈する人々は、「根回しをすると何も進まない」ということをまったく反省していないのだ。



 

 

2003年11月14日

 

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