創造の最終目的(再掲)


> 富井健さま、いつもたいへんご丁寧な回答ありがとうございます。
> 以前、キリストが全地を所有され、キリストが全地への主権をもた
> れたとご回答いただきました。しかし、キリスト以前から地球上のす
> べてのものは創造主のものであり、地球上全てのものに創造主が
> 主権をもっておられたのではないでしょうか?また、キリストが全世
> 界に主権をもっておられるにもかかわらず、いまだ世界がアナ-キー
> 状態にあり、争いが絶えず平安がないのでしょうか?
> お忙しい中もうしわけありません。よろしくお願いいたします。

おっしゃるように、キリスト以前から神は万物の主権者である、と聖書は述べています。
キリストが主権者と宣言されたのは、アダムが失敗した主権の確立を人間であるキリストが代わりに達成したという意味があります。

アダムは、エデンの園において完全に神に従いとおすことによって、永遠の世界を相続するはずでした。
しかし、失敗してしまったために、アダムとアダムの子孫はそれを相続できなくなってしまったのです。
そこで、神はキリストを人間として地上に送り、完全に御心を行わせることによって、相応しい相続者にさせられたのです。
それゆえ、神はキリストを復活させ、昇天させ、王座におつけになったのです。
キリストにつながる人々(クリスチャン)も彼とともに相続者です。
神は、キリストを永遠の世界の相続者、王として、本来ならばアダムとその子孫が座るはずだった王座に座らせました。

旧約聖書において、「その支配は全地に及び、永遠に続く」とあるメシア預言は、人間キリストによって成就したのです。(*)
それゆえ、我々が現在住んでいる世界は、キリストの永遠の御国であり、この支配が崩されることはありません。
現在、キリストは全世界の領土を保有しておられます。
そして、この支配を覆す者は誰もいません。
ダニエル書に預言されたバビロン、ペルシャ、ギリシャ、ローマと世界帝国は次々と滅んで消えて行きました。
しかし、最後に「人手によらずに切り出された石」であるキリストの御国は、けっして滅びることがなく、「全土に及」ぶのです。

キリストが昇天されてから、世界は法的にキリストの御国です。
神が全世界の主権をキリストにお与えになりました。

しかし、これは、あくまでも「法的」な主権であって、「実際的」な主権ではありません。
実際的な主権を拡大するのは、弟子たちなのです。
大宣教命令は、「主権拡大命令」であり、全世界をキリストのために獲得せよとの命令なのです。

すべての国民を弟子とし、バプテスマを授け、キリストの命令を守るように教える過程で、徐々に世界の諸民族はキリストを王とするようになります。

我々が今生きている時代とは、この「キリストの王国の拡大途中の時代」なのです。

これは、サタンの王国を滅ぼす過程で次第に現れてきます。
サタンはすでに法的に主権を失っているのですが、しかし、残党としていまだに世界において抵抗しています。

現在のイラクのように、すでにフセインの敗北は決定しているにもかかわらず、各地で残党が抵抗しているようなものです。

我々の使命とは、このサタンの軍隊の残党どもを掃討することにあります。

福音が広がり、諸民族がキリストを王としてあがめるようになれば、闇の世界のアナーキーな状態は次第に、神の秩序に作り変えられていきます。

それゆえ、我々は、戦闘モードを失ってはなりません。戦闘モードを失わせることは、サタンの第一の戦略なのです。クリスチャンに「この世界は神とサタンとの領土分捕り合戦ではない」という間違った信仰を植え付ければ、クリスチャンはいつまでたっても、戦場に赴かないので、それゆえ、残党を掃討することもできません。

全世界のあらゆる領域は、法的にキリストの主権下にありますので、実際的にもそうなる必要があります。

ですから、「この分野は中立だ。ここにおいては、キリストを主としなくてもよいだろう」などという領域を作ることは許されないのです。全世界のあらゆる領域をもれなく、例外なく、徹底して、キリストのために獲得しなければならないのです。

この回復の業が完了するまで、キリストは天に留まっていなければなりません。つまり、歴史は完了せず、それゆえ、キリストの再臨もありません。



(*)
神の創造の目的は、人間を被造物の王として立て、彼に、神が持っておられる主権を永遠に譲り渡すことにありました。
ですから、神が主権者であるということは確かなのですが、それだけでは創造は完成したことにならないのです。
あくまでも、被造世界は、「人間によって」統治されなければならないのです。
もともとは、アダムとその子孫が、従順を貫くことによって、被造世界の王となれるはずでした。
園において善悪の知識の木から取って食べず、神の命令を忠実に実行するときに、ある時点で神は、永遠のいのちの木からも取って食べることを許されるはずでした。その時に、「朽ちゆく世界」は「朽ちることのない永遠の世界」に変貌するはずでした。

神が創造されたこの世界は、あくまでも「過渡的な世界」「テスト地」として創造された「一時的な世界」でした。
テストに成功すれば、人間の肉体も永遠の肉体に変貌し、世界も永遠の世界に変貌するはずでした。
そして、神を真の主権者として、人間が被造物を永遠に楽しむ「確定した世界」「永遠の相続としての世界」が現出するはずでした。

しかし、アダムが失敗したために、そのことが達成できなかったので、代わりに神はキリストにそのテストを受けさせて、永遠の世界をお与えになったのです。それゆえ、キリストは、その褒美として、永遠の肉体を与えられ復活しました。

キリストにつくクリスチャンも、再臨の時に、永遠の肉体を与えられ、永遠の被造物を相続できるのです。

そして、その時に、神の創造の目的である「永遠に神の創造を楽しみ喜ぶ」ことが実現するのです。

 

 

2005年9月22日

 

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