小泉さんは交渉代理人を雇うべき


日本が金の流れを止めれば、北朝鮮は死ぬ。
金正日は中国を頼っているが、実質的に最大の影響力を持っているのは、日本に住む朝鮮の人々である。

だから、日本の経済制裁は、北朝鮮の息の根を止めるカードだった。しかし、小泉さんは、このカードを捨てた。

5人の帰国と引き換えに。

こんな段階で奥の手を出すなっちゅう話だ。

経済制裁に対して核攻撃をちらつかせているが、それなら、安保を盾にアメリカに侵攻をちらつかせてもらえばよいのだ。

今回の訪朝の前に、アメリカに行ってそれっぽいことを言ってもらったり、軍事演習などをやったりして、相手を威嚇するぐらいのことをやって、最後の最後に経済制裁というカードをきった場合の保証を取りつけておく。

それが奥の手を出す上での最低限の備えというものだと思うが、そんなことやった形跡がない。ほいほいと手の内を見せてしまった。

むこうは、恐らく、会議は前半と後半に分かれるとほのめかしておきながら、前半で打ち切ったのだろう。日本側は、10人の安否確認なり、帰国なりを期待していたがすぱっと切られた。

つまり、「10人は人質として残しておく。日本が約束を履行するかどうか確かめる」ということだろう。

むこうは瀕死の状態だ。とにかく援助を得たい。そのためなら相手の足元を見て、「手ぶらで帰るわけにはいかないだろうから、少々のみやげはやろう。しかし、本格的な経済援助の確約を取れるまでは本命は出さないぞ」という手なのだと思う。

こんなことは、外交の専門家の外務省ならわかっているはず。そして、小泉さんは出発の時に「今回は敵対関係から友好関係への転換を目的とする」と「拉致問題解決が本題ではない」とあらかじめ国民に釘をさしたというところからみても、拉致問題の解決には目だった成果はむりと予期していたのだろう。

最初からやる気ないじゃん。

喧嘩する気がなければ、妖怪を相手にはできません。

今回の失敗は、恐らく、前半かもしくは事前協議の段階で、「10人の安否確認」をあきらめたことにあると思う。重大なカードを最後までふところに忍ばせておいて、「前半で終わり、10人の安否確認をしぶったら、経済制裁を発動するぞ」という凄みを見せてれば、あんなあしらい方はされなかったはず。

本当は10得られるはずのものを最初から5であきらめた。腰が引けているのだ。10得られるはずなら、15くらい取ってやろうという気持ちがなければ10も取れない。

スポーツの世界では、契約交渉は専門家がやるのが最近の傾向だ。やっぱり交渉のプロは違うから。

小泉さんも、野球やサッカーの契約代理人でも雇って代わりにやってもらったらいいんじゃないですか?

 

 

2004年5月24日

 

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