公正な株式市場などありえない


日本人は貯金をし、米国人は株に投資する、と言われてきた。

「金融の時代」と言われ、世界中が投資に熱中した。

しかし、蓋を開けてみれば、米国やヨーロッパもサブプライムローン以降、壊滅的な打撃を受け、ほぼ国家が破産した。

問題はバブルにあるのだが、その仕掛け人であるグリーンスパンは、「バブルの張本人は中央銀行だ」といった。

中央銀行が、不換紙幣を発行できるから問題が起きると。

グリーンスパンは、「中央銀行制度は不要だ」とすらほのめかした。


グリーンスパン:「中央銀行は長期的に見れば、バブルをつくり出します。」

アンカー:「じゃあ、どうして中央銀行が必要なのですか。」

グリーンスパン:「それは大変興味深い問題です。この特別な段階において、わが国では、不換紙幣が通用しています。これは、実質的に、政府が刷っているお金であり、通常は、権限を持つ中央銀行が印刷を担当します。

作り出されるお金の総量を制限する、金本位制か固定為替相場制のような何らかの機構を作らねばなりません。それがなければ、歴史全体が示すように、インフレが起こり、経済活動に対して非常に有害な影響を及ぼすことになるからです。

私自身を含め、『1870年から1914年にかけて、国際的に金本位制の時代に、アメリカは大変うまくやっていた』と信じる人々が多いのです。」

アンカー :「グリーンスパンさん自身は『本当に中央銀行は必要なのだろうか』と疑問をお持ちですね。そこで質問なのですが、マエストロであるあなたが、どうしてご自身の在職中にはっきりと、一貫してこの疑問を口にすることができなかったのでしょうか。結果として、わが国の経済はほぼ壊滅状態にあるわけですが。
http://www.myloansconsolidated.com/2011/01/20/after-destr...

投資の世界は、インサイダーである。

つまり、中央銀行を牛耳っている人が、全部コントロールできるようになっている。

通貨は、国の血液である。

その供給量をコントロールする権利を独占できれば、血の流れを支配できるのだから、その国を支配できる。

アムシェル・ロスチャイルドは、かつてこう述べた。

私に通貨の発行権と管理権を与えなさい。そうすれば、だれが法律を作ろうが知ったこっちゃない。

中央銀行が通貨を過剰に流せばインフレになって市場は血液過多の人のように赤ら顔になり、体が熱くなる。

流通量を減らせば、デフレになり、貧血の人のように青ざめた顔になり、体の熱は冷える。

株価の上下は、通貨の供給量を変えることができる人々によってどうにでもなる。

となれば、いくらインサイダー規制があったとしても、究極的には人為的操作があるわけだから、投資の市場はインサイダーなのだ。

だから、インサイダー規制法とはざる法であり、それは「投資家に対する規制」であって、中央銀行に対するものではない。

「いや、中央銀行は政府のものでしょう」といわれるかもしれないが、あれは独立した機関であり、民間の株式会社である。

日本銀行は政府が55%の株を持っているが残り45%は民間の銀行や個人が所有している。

米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、政府の株は1株もなく、ロスチャイルドやロックフェラーの国際金融機関が100%所有する純然たる民間銀行である。

日銀は形態は民間銀行であり政府機関ではないので、日銀の政策決定や人事は政府から独立している。

1997年の改正日銀法では、政策上の意見相違を理由とする役員の解任は禁止されており、政府の手が届かない存在となっている。

だから、村上ファンドの事件で「究極のインサイダー」といわれた福井総裁だが、あの事件があるなしにかかわらず、構造的に日本の金融市場は、インサイダーなのである。

中央銀行制度がある限り、「公正な株式市場」などありえない。

投資家は、中央銀行株主と役員の掌の上に乗って踊る踊り子に過ぎない。

 

 

2011年1月30日

 

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