プレテリズムの聖書解釈14 (その3)



(3)
さて、このように、審査が行われ、救われる人と滅びる人との区別がなされると、次に3年半の患難時代の記事が続きます。

この患難時代の3年半というタイムスパンは、完全数7の1/2、つまり、「破壊された7」であり、悲しみ、死、破壊を象徴します(同上、p.274.; 参照・ダニエル9・24、12・7、黙示録12・6、14、13・5)。ダニエル7・25では、悪人が勝利する限定的な期間を象徴しています。
黙示録11章において、それは、42ヶ月と1260日という2つの方法で表現されており、11・2―13・5でキアスムスの関係になっているので、これらの数字に象徴的な意味が与えられているのはあきらかです。

A. 11:2 --- 42ヶ月
 B. 11:3 --- 1260日
  C. 11:9 --- 3日半
  C. 11:11---3日半
 B. 12:6 --- 1260日
A. 13:5 --- 42ヶ月

42ヶ月の42という数字は、マタイの福音書1章において、アブラハムからダビデまで14代、ダビデからバビロン捕囚まで14代、バビロン捕囚から14世代、合計で42世代という形で現れており、「約束から成就までの待望の期間」を表しています。

つまり、この個所の意味は、次のようになります。

「この[42という]数字は、約束から成就まで、束縛から贖いまでの期間を表す。しかし今、黙示録において、時は迫っている。教会はもはや42世代も待つ必要はない。42ヶ月でよい。それゆえ、これらの節が伝えているメッセージとは、『教会は来るべき患難時代を乗り切って救われるが、この時期にエルサレムは異邦人の侵略により破壊される。』というものになる。この期間が終わると、王国が完全に確立される。この個所は、イエスが、紀元70年のローマによる侵略を頂点とするエルサレムの破壊を預言されたオリーブ山での話(マタイ24章、マルコ13章、ルカ21章)と並行している。」(同上、p275.)

 

 

2004年11月25日

 

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