アメリカは力による覇権拡大政策を捨てるべきだ


アメリカの政治が「力に頼る支配」を目指しているならば、アメリカは必ず弱くなる。

アメリカの膨張論者が政権に影響を与えて起こしたベトナム戦争と同じように、イラク戦争も大きな失敗である。

アメリカはこの2度の戦争から学ぶべきである。神がともにおられない冒険は危険である、ということを。

アメリカが本当のリーダーになるには、方法は「他者に仕えること」以外にはない。「他者を支配すること」を求めるならば、逆に他者に支配されることになる。

キリスト教の方法は、「互いに足を洗い合いなさい」というものである。中東を変えたいならば、兵器を使うのではなく、文化を使うべきである。

アメリカの文化はこの戦争が起こるまでは、世界の垂涎の的であった。世界の人々は、アメリカの映画や音楽を愛し、あこがれていた。

神が、人間に対して覇権を拡大し、世界を変える方法として与えているのは、「相手に仕えること」だけである。

もちろん、武力そのものを悪と決め付けるつもりはない。たとえば、相手の国において極悪の支配者が君臨して、国民や国内の異民族を虐殺や迫害をしているならば、武力の使用をせざるを得ない場合もあるかもしれない。

しかし、それは、特別のことであって、通常の方法は、やはり文化や商売による方法である。

武力を用いて覇権を拡大するのは、19世紀のやり方だ。19世紀のやり方を率先して行っていたイギリスは20世紀にほとんどの領土を失って影響力を失ったではないか。

よく「殿様商売」とか「武士の商法」と言われるように、自分本位の人は商売において成功しない。商売において成功する人は、相手の立場に立って、相手に満足を与えることのできる人である。

アメリカは商売の文化があり、世界で最も商売において成功してきた国である。だから、アメリカは商売による覇権の拡大に方向を転換すべきだ。

19世紀末から膨張主義者がアメリカの実権を握るようになって以来、アメリカの政治や外交は、建国の精神から離れて、帝国主義的になった。

今回の戦争を契機に、良識的なアメリカ人は膨張主義者を政権から追い出し、キリスト教の愛他精神に立ち返るべきだ。

このまま膨張主義者をのさばらしておけば、誰もアメリカに期待する人はいなくなるだろう。

「柔和な人は幸いである。地を相続するからである。」

 

 

2004年5月5日

 

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