香田氏とニック・バーグ氏の共通点


ザルカウィに殺された香田氏とニック・バーグ氏が、どちらもイスラエルに行ってから、イラクに入国している点が不可解だとすでに述べた。

なぜどちらもまずイスラエルに寄ったのだろう? いくら旅費を稼ぐためといっても、イスラエルに2ヶ月も滞在し、それから、イラクに入るなど、自殺行為に等しい。 モサドの回し者と疑われて殺害されても仕方がない。

事実、香田氏の拘束を記録したビデオテープの中で覆面の男は次のように語っている。

「日本軍に属する一分子がイラク聖戦アルカイダ組織によって捕えられた。彼がイラクに来る前にイスラエルとヨルダンに行ったことが明らかになった。そのため、われわれは彼の家族と政府が彼を認知した後に、書類を示すつもりだ。」

また、この事件を報じたアルジャジーラのテロップには、「日本軍のスパイとみられる日本人男性が捕まった」と流れていたそうだ。

http://pdo.cocolog-nifty.com/happy/2004/10/post_26.html

私はどうも、両氏とも騙されてイラクに送り込まれたような気がする。

誰かの指示のもとにイラクで何かをするように言われて・・・。

もしくは、良心と好奇心を巧みにくすぐられ「イラクの現状を実際に見たほうがいい」とか何とか助言されて・・・。

香田氏の発言からは何か使命感のようなものを感じた。

彼らをイラクに送り込んだ人間は、イスラエルにおいて獲物となる外国人を物色していたのかもしれない・・・。

そして、送り込んだら、イラク国内で、彼らを武装組織に引き渡す係りを用意しておいた・・・。

では、彼らはなぜ送り込まれたのか?

この問いに答えるには、我々は、両者が殺害された時期を見なければならない。

彼らが殺害された時は、ちょうどアメリカの現政権が窮地に立たされていた時であった。

ニック・バーグ氏が殺されたのは、ちょうどアメリカがイラクのアブグレイブ収容所で捕虜を虐待し、イラク戦争の正当性に対する疑問が嵐のように沸き上がっていた時だった。

バーグ氏の処刑ビデオが公表されると、世界の非難の矛先は、残虐なイスラム過激派に向けられ、米軍の捕虜虐待事件などまるでなかったことであるかのように忘れ去られた。

香田氏の場合は、大統領選があった。

まず、大統領選に示し合わせたかのように、ビン・ラディンの声明が流された。これまでそうだったように、ビン・ラディンのマスコミ露出のタイミングは、アメリカの情勢と奇妙に対応している。

香田氏の殺害ニュースは、ちょうど大統領選運動の最中に流れた。
彼は星条旗の上で処刑され、その遺体は星条旗の上に置かれていた。
明らかに、アメリカ人の注意を引くための演出だ。

多くの人が「バーグ氏は米軍自身の手で殺害された」と信じている。

彼は、アメリカの収容所で着るのと同じオレンジの囚人服を着せられて、アブグレイブ収容所にあったのと同じ形の白い椅子に座らせられた。背後の犯人の一人がもらした言葉は、英語だった。

すでに述べたように、ザルカウィやビン・ラディンなどが属するアルカイダやアルカイダシンパは、もともとブレジンスキーが作った、アメリカ諜報機関の下部組織であった。

アフガニスタンにおいて、アメリカの援助を受けながらソ連と戦うゲリラ組織であり、世界中に「イスラムゲリラは善意の解放者である」というメッセージを伝えるために、アメリカ人専門家から高度な宣伝技術を教え込まれた。

ビン・ラディンの映像はもとより、ニック・バーグ氏や香田氏の殺害ビデオには、メッセージ・テロップなど、アメリカ映画のような巧みな演出が施されている。

我々は、イラク人自身による拉致事件と、ビン・ラディンやザルカウィが率い、アメリカが作った擬似反米殺戮集団による拉致事件とを区別しなければならない。


(*)
ちなみに、香田氏はご両親ともどもクリスチャンのようです。
クリスチャンは、この世にあってナイーブな羊であってはならない。
キリストは、私たちに「ヘビのように聡くあれ」と命じられたことを忘れないようにしたいものです。

 

 

2004年11月5日

 

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