第29代航空幕僚長田母神俊雄氏の論文について4


氏は、さかんに「言論の自由」というが、公職にある人間には言論の自由はない。

とくに自衛官などに言論の自由が許されれば、大変なことになる。

2・26事件の再発だ。

たとえ問題提起が正しかったとしても、手続き上問題である。

もし言論の自由を唱えるならば、制服を脱いで国から給料をもらわない立場になればよい。

我々は、どの組織に属するにしても、その組織の一員であり、そこから金をもらっているならば、その組織の利益を損なうような発言をすれば、当然のことながら、解雇されても文句は言えない。

もちろん、組織の利益は、社会全体の利益を超えてはならない。

社会全体にとって不利益になるようなことを組織がやっている場合、内部告発なり、抗議なりをする権利があるのは当然である。

イエスは、当時のイスラエル国が神の利益に反することをしていたから、組織に対して抗議された。

これは革命ではなく、正当な訴えである。

今回の幕僚長の発言が、社会利益のための抗議であるかどうかは難しいところである。

大きな目で見れば、今の政府の見解は、日本の国にとって有害であり、国益を損なっているから、正当性を持つとも言えなくもない。

私は氏が善意の人であると考える。

そして、今回の問題提起が、善意から出ていると考えるから、2・26事件のような「右翼の顔をした共産主義革命」ではないと考える。

我々国民は、役人に単なる「組織に従順な犬」であることを求めない。

国の本当の利益のために、国が正しい方向に向かうために、理にかなった問題提起はどんどんあってしかるべきだ。

 

 

2008年11月12日

 

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