何事にも無料というものはありえない


今、音楽業界に活気がない。

その一つは、インターネットによるデータの無料流通である。

MP3の技術ができて、曲が小さなメモリで配信できるようになった。それにより、視聴者はほぼ無料で音楽が楽しめるようになった。もちろん違法でだが。

これによりCDが売れなくなった。業界は大打撃だ。

視聴者側から見れば、無料で音楽が楽しめるからよいように見えるが、金が儲からないから優秀な人々が音楽に携わらなくなり、質の低下が起こり、それにより、結局視聴者が質の高い音楽を楽しめなくなる。アメリカなどこの影響が顕著に現れている。

最近、医者の収入が低下していると聞いた。これは恐ろしいことである。医者の所得が下がれば、優秀な人材が集まらない、そうすると、医療の質の低下につながるからだ。

私がかつて勤めていた予備校は業界でもっとも報酬がよかった。だから、優秀な人材が集まった。

インターネットによって、様々な方面、とくに情報に関して、無料化の波が広がっている。

しかし、無料化は提供者にとって減収を意味するのだから、質の低下、優秀な人材の業界離れは避けられない。

結局、何事にも無料というものはありえないということだ。

 

 

2009年8月31日

 

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