2000年単位の大きな変革


今自殺している中高年は、戦後無神論教育を受けた世代の先駆けである。

ユリ・ゲラーなどTVの影響で超自然的なものにある程度の敬意を払う我々の世代と比較して、団塊の世代には、そういったものを「実生活において無意味」として切り捨てる傾向が強い。

人間への信仰に基づく特有の自信、明るさ、傲慢を持つ全共闘世代が、人生の冬の時期を迎えてそれをどのように締めくくるのだろうか。

この世代の知人が「我々の世代には、世の中を甘く見ていたという後悔の念が共通してある」と言っていた。

共産主義の理論を振りかざし、体制打倒を叫んで学生運動をやっていたが、実際の社会は、自分が想像していたような甘いものではなかった。

これは、新興宗教に騙されていた信者の後悔に似ている。

その思想体系の内側から見た世界と、実際の世界が食い違っていたことに気づいた人の心理である。

私は、この後悔を共産主義に留まらず、さらにその土台であるヒューマニズムにまで深めて欲しいと願っている。

戦前・戦中の若者(私の親の世代)は、敗戦によって軍国主義に騙されていたことに気づいて愕然とした。

戦後の全共闘世代(私の兄姉の世代)は、社会に出ることによって、また、ソ連崩壊によって、自分が共産主義に騙されていたことに気づいた。

しかし、私は、これらの2つの世代の人々に、さらにその先に進んで欲しい、もっと掘り下げて欲しいと考えている。

我々に仕掛けられた騙しは、50年100年のスパンで清算できるようなものではない。

敗戦やソ連崩壊などで気づけるようなものではない。

もっともっと巧妙で、複雑である。

それはよく練られた騙しの体系である。

我々の思考はあまりにもそれによって縛られているため、自分が異常であるということすら気づかない。

神は今、人類に驚くべき覚醒の機会を与えてくださった。

2000年単位の大きな変革である。

 

 

2007年5月9日

 

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