カルヴァン主義への誤解


あるサイトに私のホームページからの引用があったので、ここで回答します。


"で、このロックの思想は、カルヴァン主義だと指摘されています。
カルヴァン主義のとは「予定説」。
つまり、救済されるかどうかは、神の意思により
あらかじめ決められている。というもの。

とんでも宗教です。
要するに、どれだけ良いことをしようが、悪いことをしようが関係なく、極悪非道人であっても、救済されると決まっている人は、救済されるというものです。"

予定論は、キリスト教の中心思想であり、カルトではありません。

歴史的なキリスト教はこの教義を信じてきました。

予定とは、「キリストの救いを受け入れるように予定されている」という意味です。

救いを受けた人々は、キリストの法に従います。

イエスは「木は実によって見分けることができる」と言われたので、行いが極悪である場合に、その行いは、その人の真の状態―つまり、救われていない―を表します。


"なので、カルヴァン主義の方々は
自分たちは救済が決まっている側だから、
「個人の快楽を追及してよい、全能の神が社会に
調和をもたらしてくれるから by ロック」と、金儲けに倫理的栄光をあたえ、これがもととなり
自己確信にみちた、金銭至上主義者たちが誕生したと藤原先生は書かれておられます。"

これも誤解です。

聖書では次のように言われています。

「ところが、それどころか、あなたがたは、不正を行なう、だまし取る、しかもそのようなことを兄弟に対してしているのです。あなたがたは、正しくない者は神の国を相続できないことを、知らないのですか。だまされてはいけません。不品行な者、偶像を礼拝する者、姦淫をする者、男娼となる者、男色をする者、盗む者、貪欲な者、酒に酔う者、そしる者、略奪する者はみな、神の国を相続することができません。」

悪を行い、貪りを行う者は、救われません。

聖書は拝金主義・侵略などを正当化しません。

"カルヴァン主義といえば、オランダに生まれ
のちにアメリカにわたり、カルヴァン主義の代表とまでいわれたコーネリアス・ヴァン・ティルは次のように言っています:−

「聖書が教える神の御旨とは、世界のあらゆる領域を、キリスト礼拝の場と変えることである。」

・・・皆さまはコレをどのように理解されるでしょうか?

これこそ、カルヴァン主義の統治的世界観であり
キリスト教の世界征服のための正論。と私は考えています。"

まずカルヴァン主義は、オランダに生まれたのではなく、スイスのジュネーブで生まれました。カルヴァン主義がある時期まで発達したのがオランダにおいてであることは間違いありません。

カルヴァン主義は、キリスト教の世界征服を目指すのではありません。

なぜならば、キリスト教といっても、実のところはまったく異なる教えのものがいるからです。ブッシュ大統領は自称クリスチャンと述べていますが、実際は所属教会の牧師の意見も聞かず、侵略戦争を開始しました。

このような人は聖書が述べる「略奪する者」にあたります。

カルヴァン主義の統治観は、「キリスト」の世界統治を目指します。

そして、その方法は、武力や暴力によるのではありません。

イエスは剣を取って権威に逆らったペテロに向かって「剣をさやに収めなさい。剣を取る者は剣によって滅びる」と言いました。

"世界の歴史を振り返ってみてください。
戦争と侵略の原因は、そのほとんどが「宗教」です。
しかも、日ごろは、隣人愛だの、平和だの、自由だのなんとまぁー美しすぎる言葉を並べている
この「宗教こそ」が、反キリスト教を、悪魔と決めつけ戦争を引き起こしてきました。"

イラク戦争をキリスト教がやったものであると考えることはできません。

もしキリスト教が侵略戦争を肯定しているならば、そのように言われてもしかたありませんが、キリスト教の内実を否定する人が「キリスト教」の名を借りてやった場合に、それをキリスト教の責任にすることはできません。

オウム真理教が仏教の名を借りてサリン事件を起こしても仏教がやったと言えないのと同じです。

"カルヴァン主義は、禁欲的でもあるのですが
もう少し上手く説明できればいいなと思いつつ
まだまだお勉強中なので、カルヴァン主義の
おそろしさをお伝えできてないと思いますが
何が言いたかったのかといいますと
今、世界のリーダーが交代しています。"

カルヴァン主義が禁欲的であると考えた有名な人はマックス・ウェーバーですが、彼自身はカルヴァン主義者ではなく、カルヴァン主義を外から眺めているだけなので、偏りがあります。

カルヴァン主義者は、聖書を信じます。

そして、聖書は禁欲を教えていません。

「それは、うそつきどもの偽善によるものです。彼らは良心が麻痺しており、結婚することを禁じたり、食物を断つことを命じたりします。しかし食物は、信仰があり、真理を知っている人が感謝して受けるようにと、神が造られた物です。」

"イギリスのブラウン首相、そうです!
イギリスの新しい首相が、カルヴァン主義者だそうです。"

自分でカルヴァン主義者と言っても、考え方や行動の内容を詳しく見ない限り本当にそうか判断しかねます。

少なくともイラク戦争に賛成している限り、カルヴァン主義者ではないと言えます。

 

 

2007年9月8日

 

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