イスラム原理主義なる仮想敵を作ったのはアメリカである


(1)
アメリカが陰謀国家であることを証明する一つの重大な事実が明らかになった。

1998年1月15−21日に、ラ・ヌーヴェル・オブゼルヴァチュール紙が、カーター大統領の国家安全保障補佐官ズビグニュー・ブレジンスキーによる驚愕すべき発言を掲載した。

ブレジンスキーは、「アフガンゲリラへの支援は、ソ連のアフガン侵攻以前に始まった」と述べたのだ。


ズビグニュー・ブレジンスキー:・・・公式には、CIAによるムジャヒディンへの支援は1980年に始まった――つまり、ソ連の軍隊がアフガニスタンに侵攻した1979年12月24日以降に始まった――ということになっていますが、実際はまったく違います。これは今日まで秘密にされてきたことですが、実際にカーター大統領が、カブールの親ソ政権に対抗する勢力を支援せよとの命令文書に署名したのは1979年7月3日でした。

これは明らかに、当時の公式発表と完全に矛盾する。当時、アメリカ政府は、アフガンゲリラへの支援は、ソ連の侵攻に対抗するために、侵攻の「後に」始まったと述べていたからだ。しかし、実際は5ヶ月前に始まっていたのである。

そして、ブレジンスキーは事実上、この支援が、ソ連のアフガン侵攻を挑発するためであったことを認めた。

ラ・ヌーヴェル・オブゼルヴァチュール: ソ連参戦というリスクがあるにもかかわらず、この秘密活動を支援したのですね。もしかして、あなたはソ連参戦を期待し、それを挑発したのでは?
ズビグニュー・ブレジンスキー:正確に言えば、そうではありません。我々は、ロシア人を軍事介入に追い込んだのではなく、軍事介入の可能性を意図的に拡大したのです。・・・ソ連が国境を越えたその日に、私はカーター大統領に『これで、ソ連をベトナム戦争に引きずり込めるかもしれない』と書き送りました。実際、モスクワは十年間、耐えがたい戦争を遂行せざるを得なくなった。この戦いを通じて、ソヴェト帝国は混乱し、しまいには崩壊した。

アメリカ政府の公式見解を鵜呑みにすることができないということがこれでお分かりだろうか。
昔も今も、つねに選挙民は裏を読む努力が必要である。

(2)
私は、かねてから、よくテレビで流れるアルカイダの紹介VTRが、非常にうまくできていることに違和感を覚えてきた。たとえば、バックにクリントン大統領の映像を流しながら行われる射撃訓練。あれは、世界の人々に一目で「アルカイダはアメリカに対して憎しみを持っている」と納得させてしまうほど効果的なPR映像である。欧米のPR専門家が作成したか、もしくは、その指導のもとに作られたものであると推測するのに十分な出来だ。

ブレジンスキーは、1985年、コロンビア大学政治学部教授ザルメイ・カリザド博士とともに、アフガンゲリラを訓練するための会社を設立した。この会社を通じて、「ムジャヒディン(アフガン反政府ゲリラ)は自由の戦士であり、抑圧者と闘っている」という偽のイメージを世界に広めるための技術がゲリラに伝授された。

APの記者ジョン・モウワーは、記事『合衆国がアフガン反政府運動家のデマ作成のために50万ドルを拠出』の中で次のように述べた(“U.S. Provides $500,000 So Afghan Rebels Can Tell Their Story” by JOAN MOWER of AP, September 16, 1985, Monday, PM cycle SECTION: Washington Dateline, WASHINGTON)。


アフガン・ゲリラは、合衆国政府の資金援助によって、世界の目をソ連軍との戦いに向けるためにPR活動を行う予定だ。
この資金は、アフガン反政府ジャーナリストがテレビやラジオ、新聞を使って自らの主張を広めるための訓練に使われるだろう。リポーターには、アフガニスタン国内の様子を写すために小型カメラが渡されるだろう。

連邦政府発行の官報では『このプロジェクトの目的は、アフガニスタンの情勢に関して、信頼に足る、客観的でタイムリーな、プロフェッショナル品質のニュース・写真・テレビ映像を集め、編集し、広めることにある』と述べられている。

番組は、アメリカの広報担当部署である合衆国情報局によって検閲されるだろう。議会は、専門家を雇うために50万ドル(後で増額されるかもしれない)を割り当てた。

この資金を有効活用させるために、議会は、合衆国情報局に対して、『アフガニスタンの友』のような組織を利用するよう指示した。『アフガニスタンの友』とは、反ソ強硬論者で知られる前カーター政権国家安全保障補佐官ズビグニュー・ブレジンスキーが理事を務める新しい団体である。

 どうりでアルカイダやビン・ラディンのPR技術が優れているわけだ。アメリカの専門家たちが先生だったわけだから。

 

 

2004年9月10日

 

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