日猶同祖論問題は重要な聖書的テーマ


<Q>
幕屋とノアの箱舟の構造を世界史の流れに適用すると、日ユ同祖論を考えないと理解しづらくなりますね。

日本の教会では、リフォームド系では特にユダヤ人の選民思想を悪とする考え方が抗体となっていて、日本民族の優秀さをアピールする思想に対してアレルギー反応を起こしているような気がするのですが、いかがでしょうか。8月15日前後の日曜日のメッセージには毎年辟易しています。

<A>
リフォームド系は、福音派と同様に、聖書に基づいて思想をチェックすることに失敗してきたように思えます。

歴史に関しては、GHQ史観に毒され、日本原罪論。

物質と霊に関しては、カント哲学に毒され、霊的な現象を懐疑的に見る傾向があり、聖霊の働きや、悪霊との対決などを「オカルト」扱いする傾向があります。

日猶同祖論についても、眉唾ものとして見る傾向があります。

しかし、聖書において、パレスチナ以外に存在する離散ユダヤ人のテーマは非常に重要であり、イエスご自身が「囲いに属さない羊を導かねばならない」と配慮されました。この離散ユダヤ人について真剣に考えるならば、イエスが誕生される前にすでに世界各地にユダヤ人共同体が形成され、それぞれにおいて彼らが救い主を待望していたこと、そして、なぜ彼らが祖国に帰らずに世界に離散したままであったのか、という神学的な意味は非常に重要なテーマです。

日本の神話における天照大神の物語、スサノオの竜退治など、神道に無数に存在するユダヤ思想の痕跡は、けっして知的遊戯の対象やロマンではなく、クリスチャンが離散ユダヤ人問題との関係で真剣に考えるべきテーマであると思います。

そして、それは、日本人というアイデンティティの問題と密接につながっていきます。

私は、日本人がGHQ史観と日本原罪論から解放され、本当のアイデンティティを回復するためには、日ユ同祖論を真剣に考慮する必要があると考えています。

 

 

2009年8月31日

 

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