今世界において働いているバベルの塔の霊


(1)
格差反対、福祉国家賛成、公共事業推進賛成を唱える人々は、1920-30年代にアメリカではじまり、世界が採用した社会主義の実験が失敗したことに気づいていないのである。

マルクスが目指したのは、国家に権力を集中させ、国民を国家に全的献身させることである。

つまり、国の神格化である。

ルーズベルトの改革は、このマルクス主義の国家教に基づいていた。

国の概念は変わった。

国は経済などについてただ傍観者的に見ているだけではだめで、積極的に介入すべきだ、と考えるようになった。

不況を回避するために公共事業が始まった。

税金をたくさん集めて、それを官僚の采配によって再分配しはじめた。

これ以来、市場の枠外で大量の金が消費されるようになった。

今日、社会主義国の統制経済、計画経済が失敗したように、この資本主義国に浸透した社会主義のシステムも失敗したことが明らかになった。

(2)
考えてもらいたい。

なぜルーズベルトが亡くなったときに、スターリンのソ連が半旗をかかげたのか。

同じ穴の狢だからだ。

国連憲章を書いた米国人アルジャー・ヒスと、V・M・モロトフは、どちらもスターリンの手下であっただけではなく、世界政府樹立のために暗躍している陰謀機関、外交問題評議会(CFR)のメンバーでもあった。

もちろん、国連を提唱したのはルーズベルトだ。

頭のよい人なら分かるだろう。

ソ連や東欧を支配した社会主義も、アメリカをはじめとして日本や資本主義国を支配した社会主義も、根は同じなのである。

冷戦時代、社会主義対資本主義というような対立構造があったといわれるが、間違いである。それは同じものの2つの外観でしかなかったのである。

両体制において、驚くべき失敗に至らしめた社会主義的中央集権の根源は、CFRというグローバリストの牙城にあった。

(3)
国際連盟の設立理念はカント思想にある。

神からの独立を唱えたカントは、国際連盟の思想的父親である。


私はこの問題への鍵をカントの世界共和国の概念に見出した。・・・彼の考えは、実際に、国際連盟という形で実現したのである。
http://boo.mi2.hr/~tom/Karatani_talks_in_Zagreb/towards_world_republic/
towards_world_republic_abstract.doc


これで流れが見えてきた。

神からの離反→
   カントの人間自律→国際連盟→国際連合
           →マルクス→ソ連の社会主義
                →アメリカ・日本等の社会主義

我々の世界は、共産主義、社会主義、資本主義の体制が互いに対立しあっているというようなものではない。

これらは、一つの霊的な流れの異なる現れでしかない。

その一つの霊的な流れとは、バベルの塔の霊である。

創世記のバベルの塔の記事に記されたのと同じ世界統一の霊が今我々の間に働いている。

 

 

2006年10月19日

 

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