ある医療に詳しい人からの連絡


下記は、現時点で医学的・疫学的に考えられることである。しかし、これはあくまでも読者の判断材料として提供するものであり、これによって読者は自己責任で行動していただきたい。これによって読者が不利益を被っても当方は責を負わない。


---------今回の豚インフルエンザについて--------------

1) 今回の豚インフルエンザは弱毒性である、(季節性インフルエンザよりも軽い)
CDC(Centers for Disease Control and Prevention)はすでに、下記を発表している。

・病原性は通常の季節性インフルエンザと同程度からやや低い:軽症〜中等症。
・感染率は25%前後
・遺伝子の中にスペインインフルエンザとH5N1鳥インフルエンザの毒性に関係していた遺伝子は存在していない。

というわけで季節性インフルエンザ(いつものタイプ)よりも心配しなくて良い。

2)日本には、騒ぎになるまえから(4月以前から)豚インフルエンザは流行していた。「今年のインフルエンザは暖かくなっても流行している」などという話はちらほら聞かれていた。日本での検査体制が確立したのは、4月25日以降のことであり、それ以前のことは何もわかっていない。

3)現在の豚インフルエンザは弱毒性であるが、今後、変異をくりかえし、人から豚に再感染し、鶏インフルエンザに感染している豚において、鶏インフルエンザと合わさって(遺伝子の組み替えを起こし)、新型の強毒性のインフルエンザウィルスとなる可能性はある。

善意に解釈すれば、欧米に比べてアジア地域でかなり厳しい体制を現在取っているのは、アジア地域が鶏インフルエンザ汚染地域であり、今後、豚インフルエンザとの遺伝子組み換えがおこることを警戒しているからとも推察される。しかし、それを防ぐことは事実上不可能となりつつある。

4)前回のスペイン風邪ウィルスも 春先から初夏にいったん弱毒性のタイプが大流行し、秋口から強毒性のタイプが流行した。つまり弱毒性タイプに感染することが天然のワクチンとなったため、弱毒性タイプに感染した人は秋口からの強毒性のタイプに感染しても軽症ですんだという話がある。---つまり今の豚インフルエンザにはかかっておいた方が良いという考え方がある。

もし今後、出現してくるであろう強毒性をもったタイプが、現在のタイプと若干遺伝子構造がと違っていたとしても、人間の免疫はある程度対応可能と考えられる。となると、今の豚インフルエンザに感染することは、ワクチンを打つのと同じ意味を持ってくるのである。

これから冬になる南半球の動向を注視すべきである。

5)現時点で、この弱毒性ウィルスに対して、医療資源(薬剤、その他)を使い尽くさないよう留意し、秋口から流行するかもしれない強毒性ウィルスに備えるべきである。


以上

 

 

2009年5月22日

 

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