ロイド・ジョーンズの悲観主義


> さて、Martin Lloyd-Jones についてなのですが、不思議な
> 事に、Banner of Truth が出版する彼の著作と、それ以外
> の出版社が出す彼の著作の傾向が違っています。
>
> 元来彼は、Calvinistic Methodist であり、癒し、奇跡、そ
> して、悪霊との戦い(これに関しては、彼の説教の
> テープを私は持っています。)などについて、ほとん
> どカリスマ系に近い立場を取ります。そういうこと
> Banner of Truthでは全く紹介されません。
>
> つまり、Banner of Truth は非常に機械論的、いわゆる
> Fozen-Chosen Type の凍り付いたアミレの"Reformed"として彼
> を紹介するのですが、彼の伝記などを読んだりする
> と、どうも違うようなのです。
>
> なにか Lloyd-Jones と 私たちの間に OR 師のような敵
> が入り込んで、操作しているような気がするのです。
>
> 最近つくづく思うのですが、味方だと思っている 
> Reformed/Presbyterian なり、Reconstructionists なり Theonomists
>  なりといった陣営に、どうも、敵がたくさん混じっ
> ているようです。
>
> Westminster Theological Seminaryにかつて、Norman Shepherd という
> 教授がいました。彼は、ほとんど「行いによる義認」
> を主張し、当時のOPCの中会で騒ぎになったそうです。
> ひょっとしたら彼はローマ教会側の人間だったかもし
> れない。 彼はいわゆるNew Perspective of Paul(つまりガ
> ラテヤ書で パウロは信仰による義認と行いによる義
> 認を対比しているのではなく、ユダヤ人社会と異邦人
> 社会を対比しているのだ と言う説)を提唱し、 あ
> の破壊的な Auburn Avenue Theology の端緒をひらいたので
> す。これが、Reconstruction/Theonomyの陣営に入り込み、多
> くの人々が異端に走ってしまいました。 
>
> さらに、敵の別動隊は、自らをReconstructionist 
> Theonomist と宣言して、いろいろな教会に入り込み破壊
> 活動をおこなった。こうして、RushdoonyやBahnsenといっ
> た名前を聞くだけで、彼らの著作を読みもしないで 
> アレルギー反応を起こす人々を増やした。
>
> 私の周りはそんな人ばかりです。もうなにをいっても
> だめ(笑)。
> そんなわけで、最近、私は、「あなたのいうことに全
> く同感です」といってすり寄ってくる人々に対して、
> 警戒するようになりました。というのは、そういう
> 人々が、破壊活動をする可能性があるからです。何と
> も嫌な話ではあるのですが。

(1)
Banner of Truth Trustは、彼が共同で設立した会社で、カリスマ派的な問題、たとえば、聖霊のバプテスマのような問題は、自分の死後発表するように告げていたそうです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Martyn_Lloyd-Jones

私は、彼の霊的対決、霊的抑圧の対処法などの考えと、無千年王国論が共存しているのは、時代的に終末論の問題がまだ話題になる前の時代であったからであって、期が熟していなかったということだろうと思います。

しかし、彼の無千年王国論は、彼の思想全体に大きな影響を及ぼしており、その悲観主義は、説教を聞いたり読んだりする人々の気持ちを「混乱」させます。

一方で「戦え」といいながら、他方で「勝てるわけがない」というからです。

スポルジョンは、後千年王国説ですから、首尾一貫しています。しかし、ロイド・ジョーンズは、その終末論によって、説教全体、いや、ミニストリ全体が、混乱したものに終わったと感じます。これは、フランシス・シェーファーにもいえることです。

福音派の悲劇は、ラッシュドゥーニーを受け入れることができず、ロイド・ジョーンズやフランシス・シェーファーのような中途半端な「勝利の信仰」で止まったことにあると思います。

何かが邪魔をした。何が邪魔をしたのか分かりません。

しかし、改革が徹底しなかった。

スコーンと抜けるものがない。ドロドロしている。

アクセルを踏みながら、同時にブレーキを踏んでいる。

私は、この両者の本をよく読みましたから、その内容は承知しているつもりです。

両者とも福音派に大きな影響を与えたが、しかし、セオノミーもポスト・ミレもはっきりとは教えなかった。

半ばディスペンセーショナリズムを受け入れていた。

私は、このような中途半端な信仰では、自分の人生における危機を乗り切ることができないと悟ったのです。

 

 

2009年8月28日

 

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