近くにおられるうちに主を求めよ2


(1)
今回の事故を通じて、JR西日本という会社の実態が明らかになった。

ドル箱路線の過密ダイヤを維持するために、職員に人間性を無視した過度のプレッシャをかける。

たまたま乗り合わせた電車の事故で多数の人命が失われ、怪我人が出ているのに、現場で救助することよりも、出勤を優先した上司とその職員。

自分の会社が起した未曾有の事故を知りながら、ボウリング大会を開き、慰労会を行った職員たち。

これらから見えてくる共通の特徴は、「人間性の喪失」である。

人間として当然持っていなければならない良識や感情を喪失している。

(2)
こういった内部だけで自己完結し、他者との関係を見失った組織とは早めに手を切ったほうがよい。このような組織に属すると知らず知らずのうちに、正常な感覚を失って自分が誰だかわからなくなってしまう。

あの、優秀で人望の厚い医師という評価を欲しいままにしていた林被告が、オウム真理教に入信後、組織内部での昇格に目を奪われ、殺人まで犯すようになった。

警察での取り調べを通じ、外の世界の人間と対話する中で本来の自分を取り戻し、オウムの呪縛から解放された彼は、自分が犯した罪の愚かさと大きさに愕然とする。

(3)
こういった価値が転倒した組織は、宗教組織、会社、国家を問わず、「集団憑依」されているのである。

憑依の根底には、サタン崇拝がある。

金銭崇拝、偶像崇拝、名誉崇拝…

真の神以外を拝む組織は、サタンに「集団憑依」され、本来の目的とは違う目的に知らず知らずに流されていく。

仕事は自分のため、家族のためにするものである。

仕事が原因で死にたくなるほど苦しいなら、そこから逃げるべきだ。

仕事が原因で人間として当然持つべき良識すらも失っているならば、その仕事を止めるべきだ。

日本にはつらさのために環境を変えることを罪悪視する人が多いが、我々には自由人としての権利があるのだから、人間らしく働ける場所があるならそちらに移るべきだ。

集団憑依された組織に入ると、個人や社会の正常な目的よりも、組織の自己目的が自分にとって重要になり、自分も憑依者の仲間に引き入れられてしまうだろう。

(4)
過労死するまで働く人は、組織崇拝の犠牲者である。

本来自分の幸せのためにやっていることで死ななければならないなんて、馬鹿らしい。

私は、こういったまじめな人々に対して、「無責任になること」をお勧めする。

価値観が転倒し、サタンに憑依されている集団に対してまで忠誠を尽くす必要などまったくない。

忠誠を尽くして、過労死しても、会社や組織はあなたをフォローしてくれないだろう。

その時気づいても遅い。

サタンは人を利用するが、最後は必ず裏切る。「俺は知らんよ。」と捨て台詞を残して去っていくだけである。

サタンの集団憑依の目的とは、その集団を利用して、神の国を破壊し、人間の正常な生活を破壊することにある。

(5)
最近、ニートと呼ばれる、学校にも仕事にも行きたがらない若者の出現の一因は、彼らが自分の父親が組織によって牛馬のごとくこき使われて、使い捨てにされているのを見てきたからだという。

私は、大手の会社に勤務した経験があるが、会社生活の内容はひどいものだった。人間性なんてまったく無視される。夜12時ごろまで働かされても文句も言えない。

この実態をもし自分の子供が知ったら、絶対にサラリーマンにはなりたくないと思うだろうと感じた。

その会社は、中学高校時代に、遊びも何もかも犠牲にして勉強しないと入れないような大学の卒業生ばかりだった。

東大や京大を出ても、満員電車に揺られて、朝から晩まで働き詰め、人間としての正常な感覚を維持するための精神的な余裕を与えない。

コンピュータが導入され、仕事の効率が上がったから仕事が楽になるかというとそうではない。その効率に合わせてさらに多くの仕事をこなすように要求される。

昨日まで課長だった人が翌日、フロアの真中に用意された電話も書類も何もない机に座らされているのを見た。しばらくして彼は退職した。

労働者に対してこんな報い方をする組織は早晩つぶれると思った。(たしかに私が勤務した部はその後消滅した。)

ニートが生まれるのも無理はない。勉強しても未来が地獄なら、勉強しないほうがましだ、と考えても無理はない。

(6)
このような地獄のような労働環境の主原因は、聖書の神を礼拝していないことにあると思う。

「組織や国がどんなに大きくて、自分が小さくても関係ない。神が自分を導いて正しい道を歩ませてくださる」と信じることができ、なおかつ、それを辛抱強く持ちつづけるならば、神は我々に人間らしい、しかも、金銭的にも十分な報いがある生活環境を与えてくださるだろう。

このような信仰がない限り、非力な我々は、企業や国に蹴り回されて一生を終えるしかないだろう。

 

 

2005年5月5日

 

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