無性生殖から有性生殖へと進化した?


我々は、無性生殖から有性生殖へと進化したと教えられてきた。

しかし、無性生殖と有性生殖を比較した場合に、有性生殖は生存に圧倒的に不利である。

なぜならば、無性生殖の場合、突然変異によって遺伝子に優生な形質が現れても、自己分裂することによって繁殖できるが、有性生殖の場合、雌雄一対、同じ形質変化が起こらない限り遺伝しないからだ。

これは相当確率を低める。

なぜならば、例えば雄にある形質変化(*)が起こっても、同時期に同じ場所において、同じ形質変化が起こった雌を探さなければならない。また、相手が交尾を望まなければ、それで進化への道は閉ざされる。

(* しかも、簡単に形質変化といっても、先に掲示したように、体の遺伝子の変化と同時に中枢の遺伝子の変化も同時に起こらなければならないから、なお確率は低くなる。)

こんなに生存確率が低くなるならば、無性生殖の生物は、そもそも有性生殖に進化できないはずだ。

進化が高度化すればするほど、遺伝子の変異の内容は精緻化するから、遺伝子的に同じ相手を探すことはますます難しくなる。それゆえ、ますます生存確率は低くなる。

つまり、理論的に言えば、進化は高度化すればするほど、下に引っ張る力、秩序崩壊の方向への力が強くなる。

この秩序崩壊を防ぐには、相対的に進化の土台となる個体数が増える以外にはない。

つまり、同時期、同じ場所に、交尾を欲する同じ変化を起こした遺伝子を持つパートナーを見つける確率が指数関数的に減少するならば、それだけ、その種の個体数が指数関数的に増加しなければ、この進化に対するマイナスの力に逆らうことはできない。

しかし、現実的には、高等生物になればなるほど個体数は減少している。

この矛盾をどう解決する?

 

 

2008年6月29日

 

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