誤解しないようお願いする


昨日のTBSラジオ「ストリーム」で、アメリカの映画評論家が、ジェリー・ファルウェルの死去に関して報告していた。

ファルウェルは、再建主義に影響を受けたが、終末論に関して、今教会において流行しているディスペンセーショナリズム終末論を採用している。

ご存知のとおり、ディスペンセーショナリズムの終末論は、「クリスチャンシオニズム」である。

この地上にキリストが再臨し、再建されたイスラエルの神殿から、世界中の人々に信仰を強制し、暴力によって人々を支配するとする異端的な終末論解釈である。

こういった極端で異端的な思想が、再建主義の「政治への積極的なかかわり」という思想と結びついて、非常に「証にならない」行動にクリスチャンを走らせている。

再建主義は、世界変革の方法を、「キリストの再臨及び暴力的支配」によるとせず、「聖霊による一人一人の自発的回心に基づく、非暴力的漸進的変化」によるとする。

読者のみなさん、誤解しないでください。

我々は、教育と伝道こそ、神の国発展の方法であると信じているのであり、ディスペンセーショナリズムのクリスチャンシオニズムとはまったく別物なのです。

パット・ロバートソンやジェリー・ファルウェルのような、アメリカの福音主義を代表するような人々が、再建主義の一部を都合よく取り入れ、肝心の終末論においては、異端の教えを受け入れたために、アメリカ人をはじめ世界中の人々が、「キリスト教は他者を認めず暴力によって支配することを願う好戦的な宗教だ」との印象を受けることになった。

我々非クリスチャンシオニストは非常に迷惑をしているし、また、御国から人々を遠ざけ、クリスチャンによる政治参加にとって大きな障害となっている。

ファンダメンタリストには、2種類あることを強調しておく。

(1)クリスチャンシオニスト
(2)非クリスチャンシオニスト

クリスチャンシオニズムと、再建主義は関係ないし、また、クリスチャンの政治参加にも関係ない。

だから、クリスチャンシオニズムがひどいことをやっているからと行って、「だからクリスチャンが政治に口を出すとろくなことがない」とも言えない。

私は、パット・ロバートソンの団体に何度もブッシュ政権のイラク戦争支持をやめなさい、と忠告したが、無視された。

単純に福音主義=好戦的=政治に関与するな、というトンデモ論者に口実を与えた罪は大きい。

 

 

2007年5月23日

 

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