大衆に媚びるな


オバマが大統領になった。TVでインタビューを受ける人々、インターネットで発言する人々、ほとんどみんな彼に期待している。

不思議だ。ブッシュ大統領が同じ宣誓をし、憲法を守ると誓ったにもかかわらずイラク戦争をやり、愛国者法などを作って国民の自由を束縛し、FRS(連邦準備制度)という反憲法的組織を許容した。

どうして彼が同じことをしないと分かる?

どうして期待できる?

根っこの部分で認識を新しくしない限り、またも騙されるだけだ。

私は裏の権力構造が変わらない限り、「変革」と呼ばれるものは単なるカモフラージュに過ぎないと考える。

共和党―民主党―共和党―民主党・・・と交替している。

おそらく影の政府は、ヘーゲルの弁証法的発展に沿って政権を作り出しているのだろう。

マスコミに流れるような情報では何も分からない。

裏を読むためには、その他の情報が必要だ。

私は、大衆というものは、単に裏の知識を得る能力がないだけではなく、それをそもそも知りたくないと思っている存在だと考える。

本当のことを知って、自分の立っている土台が崩れるのが怖いのだ。

権威のない状態に放置されるとどうしてよいか分からなくなるから、それを脅かす陰謀説が大嫌いだ。

彼らは羊である。

羊飼いが必要だ。

羊は、悪い人間にもついていく。

最後に滅ぼされることがわかっていても。

だから、我々のミニストリは、大衆を第一のターゲットにすべきではない。

大衆を導く羊飼いを獲得しなければならない。

大衆に理屈を示しても一蹴されるだけだ。

イエスは大衆を獲得しようとしなかった。

「聞く耳のある者は聞け」と対象を常に限定された。

大衆伝道が悪いとは思わないが、大衆を獲得することを第一に求めると、こちらのレベルを下げる誘惑に陥る。

「大衆は教理など教えるよりも、分かりやすい例話を中心として笑い話で満たした説教をすべきだ」ということになり、本質がどんどんずれていく。

「難しい話をしろ」ということではない。

イエスは、分かりやすいたとえ話をされた。

分かりやすい言葉を用いて、高度な教理を教えるべきだ。

ショー化した今のキリスト教は、実際的な問題に何も応えることができない。いや、しようとしない。

まったく的外れなキリスト教になったのは、大衆に媚びることをやってきたからだ。

 

 

2009年1月21日

 

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