宗教右派の聖書解釈の間違いによって誤解が広まっている



<MF様>
> ブッシュ大統領とネオコンが手を引かない限りイラク問題は解決
> しないでしょう。
> ネオコンら一部ユダヤ人らは、長い間計画を立てて、中東一体の
> 支配を画策していたようです。
> 我々が、TVで見ているのは、表面的な芝居であって、背後には別
> の芝居が同時に進行しているというのが現状です。

私も貴方と同じ見解です。 先日のTVでアメリカの宗教右派の活動をを紹介した映像を見てビックリしました。独善的な発言やその教義を小さい子供に教え込んでいるいわゆる選民思想の刷り込みです。ユダヤ教やキリスト教の「一神教」のすべてがそうではないと思っています。

イスラエルの指導層や現在のブッシュ政権の一部にその様な宗教的背景を持つ思想による支配を目指している勢力が力を持っているのは現実です。

<tomi>
(1)
そのTVの内容を見ないとなんともいえないのですが、恐らくホームスクーリングをご覧になったのだと思います。
私たちは、ホームスクーリングそのものには問題を感じておりませんし、また、クリスチャンが社会のリーダーとなるべきだ、と一般にホームスクーリングで教えられている考え方も賛成しています。

これは他の宗教の方々から見れば、独善的に見えるかもしれませんが、宗教は真理を扱うのですから、そもそも独善的で排他的なものです。

独善的で排他的であることが有害であるのは、「それが無根拠で不合理な場合」だけです。「独善的で排他的なのは必ず有害」というわけではありません。なぜならば、真理は一つだからです。

(2)
聖書の神は「わたし以外のものを神として拝んではならない。わたし以外のものを神として拝むように誘惑する人がいれば死ななければならない」と命令します。しかし、それは聖書の神と契約を結んで、「主従関係」を結んだ人々に対してだけです。

聖書において、異教徒たちが聖書の神を拝んでいないという理由で、侵略して、絶滅することを命じた個所はありません。

カナン人絶滅命令は、「カナン人があまりにも堕落したため」であって、別の神を信じたことが理由ではなかった。

「あなたの神、主が、あなたの前から彼らを追い出されたとき、あなたは心の中で、「私が正しいから、主が私にこの地を得させてくださったのだ。」と言ってはならない。これらの国々が悪いために、主はあなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ。
あなたが彼らの地を所有することのできるのは、あなたが正しいからではなく、またあなたの心がまっすぐだからでもない。それは、これらの国々が悪いために、あなたの神、主が、あなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ。また、主があなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブになさった誓いを果たすためである。」(申命記9・4-5)

今の宗教右派が間違っているのは、この点を理解していないことにあります。

宗教右派の主要な団体アメリカクリスチャン同盟の総裁ロバータ・コウムズは、「西洋的価値観を広めるために、イラク戦争に賛成する」と述べましたが、まったくの間違いです。

武力によって伝道や、文化輸出などできません。

福音はあくまでも、自発的な回心によって「のみ」伝達可能です。

また、政治体制が聖書的に変革されるには、まず、国民が喜んで聖書の教えを受け入れて、政治体制も聖書に従って作り直すことを「自らすすんで」受け入れなければなりません。

再建主義者は、このような「自発的変革」を主張するのに対して、宗教右派は、「強制的変革」を主張します。

(3)
宗教右派がこのような間違った考え方を持ったのは、ディスペンセーショナリズムというここ200年の間に広まった異端の教えを信じているからです。

彼らは、イスラエルの領土預言が文字通り成就することを期待しています。北はユーフラテス川から南はナイル川まで、イスラエルは約束された領土を獲得しなければならないと考えます。

「その日、主はアブラムと契約を結んで仰せられた。『わたしはあなたの子孫に、この地を与える。エジプトの川から、あの大川、ユーフラテス川まで。』」(創世記15・8)

彼らは、イエス・キリストが『律法と預言者』(つまり、旧約聖書)をすべて成就するためにやってきた、と述べられた(マタイ5・17)ことを信じません。

このマタイ5・17を信じるならば、「アブラハムに約束された領土はすでに与えられたのだ」と信じることができるはずです。しかし、彼らは信じない。そのため、彼らは、イスラエル政府とともに、パレスチナの土地の拡大を狙っている。「これは聖書において父祖アブラハムに与えられた土地だ!」と叫びながら。

イエス・キリストは、「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。」(マタイ28・18)と宣言されました。そのときに、アブラハムへの領土預言も成就したし、キリストを王とし、契約の民を中心とする世界は到来したのです。(それが完全に・正式に成就したのは、紀元70年の神殿崩壊の時です。)

今の、宗教右派はクリスチャンシオニズムであり、ユダヤ人のシオニズムといっしょになって、間違った聖書解釈を行ない、イスラエルの領土獲得と、ユダヤ人中心の世界秩序を求めている。

こういった背景の知識は、よほどの聖書預言の専門家でなければ分からないために、TVやマスコミは誤解している。

クリスチャンやユダヤ教徒全員がこのようなヘンテコリンな教えを信じているわけではないということを理解して欲しいものです。

 

 

2004年11月28日

 

ツイート



 ホーム

 



millnm@path.ne.jp