反ユダヤ言論が陥る危険な罠


<OK様>
ミレニアムを見た人から阿修羅に投稿があったので、ご報告かたがた転送いたします。最近、阿修羅には、キリスト教を茶化す記事が多く見うけられるのです(カルト板)。

一人のクリスチャンからは、注意して利用するように忠告を受けました。阿修羅や最近、副島隆彦さんと彼の弟子たちが書いた「金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ」の6章にユダヤ教が果たしたカルヴァンへの影響という記事があるのですが、それらにコメントを述べるのには、富井さんが適任に思いますが、忙しい富井さんにそれをおすすめするのには気が引けます。

副島さんの本のほうはかなりまじめに研究がなされているようですので、一度富井さんの感想をお聞きしたいとは思っております。

<tomi>
メールありがとうございました。

キリスト教をカルトに含めるというのも無教養丸出しですねえ。

とにかくキリスト教について知らない連中がさも知ったようなことを言っている。

これは残念なことです。

まあ、正しいものはいずれ明らかになるでしょう。

時間のふるいにまかせましょう。

副島さんは読んでいませんが、ユダヤ思想がカルヴァンに影響を与えたというのは、カルヴァンが聖書信仰である以上当然のことです。

ユダヤに属するものを何でも否定するのはどうかと思います。

また、シオニズムにしても、正しいシオニズムを否定すると、「ユダヤ民族の回復」という聖書の預言を否定することになります。

聖書ははっきりとユダヤ人は神の家に帰還すると述べています。

「人々は、剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれ、異邦人の時の終わるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。 」(ルカ21・24)

これは、単に紀元70年のユダヤ戦争においてローマ人やエドム人がエルサレムを占領したことだけを述べたわけではありません。

なぜならばエルサレムはその後、1967年まで一度もユダヤ人に回復したことはないからです。

神がユダヤ人を回復させ、家出していた長男を迎えるときに、国や民族に関して軽視されるはずがありません。

なぜならば、神は民族を大切にし、それぞれに「住むべき場所」を提供される方だからです。

シオニズム思想には、ヘスというマルクスの師匠が主導した社会主義シオニズムが入っており、それは、「シオニズムとは階級闘争ではなく、民族闘争である」とはっきり述べています。

こういった異民族排除、力による領土拡大というものは、本当のシオニズムとは異質なものでしょう。

それはユダヤ人の固有の欠陥である「選民意識」のなせるわざです。

あのサイトに関して注意すべきは、「世界支配をもくろむユダヤ人を批判するあまり、それとは関係のない聖書的シオニズムやキリスト教すらも批判の対象にするというサタンの罠にはまる恐れがある」という点です。

人類はこの罠に何度もはまってきました。

そして、無実のユダヤ人をも迫害の中に巻き込んできたのです。

 

 

2005年5月16日

 

ツイート



 ホーム

 



millnm@path.ne.jp