神の国の拡大において宗教戦争は無意味である


よくキリスト教は宗教戦争をしてきたから血なまぐさいと言う人がいる。

イエスは一度も「武力で支配を拡大せよ」と言われなかった。

むしろ、剣を取って戦おうとしたペテロに対して「剣をさやに収めなさい。剣を取る者は剣によって滅びる」と言われた。

そもそも、宗教戦争で版図を広げる必要はない。

理由は、

1.「すでに法的に世界はイエスの御国になっている」から。

イエスは法的に世界を所有しておられる。

「天地の一切の権威がわたしに与えられました」と言われた。


イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。(マタイ28・18)

2.サタンはすでに敗北しているから。

イエスは言われた。「わたしが見ていると、サタンが、いなずまのように天から落ちました。(ルカ10・18)

天とは、司令塔が君臨する場所、ヘッドクオーターである。

サタンは世界に指令を出して動かす権威を失っている。

現在、そこにはイエスがおられる。

主イエスは、彼らにこう話されて後、天に上げられて神の右の座に着かれた。(マルコ16・19)

紀元1世紀に、霊的な世界において、世界の支配者は交代した。

3.御国を前進させておられるのは聖霊だから

武力で制圧しても、人の心までは変えられない。

人の心を「奥底から」変える力を持つのは神お一人である。

クリスチャンになるということは、何かのアクセサリを身につけることではない。

その実存そのものを変えることである。

だから、牧師の言動によって簡単に立場を変えるような人は、聖霊によって生まれ変わっていないのである。

聖霊は、選ばれた人の心を「奥底から」変え、実存そのものを変える。

変わった人は、どんなに状況が変化しても、聖書の教えから「絶対に」離れない。

異端に走る人は、その実存が「もともと」異端だったのである。

その人は、「もともと」異端に走るように選ばれており、「もともと」自分にふさわしい場所に行ったに過ぎない。

あなたがたは、あなたがたの父である悪魔から出た者であって、あなたがたの父の欲望を成し遂げたいと願っているのです。悪魔は初めから人殺しであり、真理に立ってはいません。彼のうちには真理がないからです。彼が偽りを言うときは、自分にふさわしい話し方をしているのです。なぜなら彼は偽り者であり、また偽りの父であるからです。(ヨハネ8・44)

もともと「生まれが」サタンなのである。

サタンから生まれたから、サタンの教えを信じる。

共産主義者が悪魔的な体制を作ろうと努力しているのは、「彼らの父の欲望を成し遂げたいと願っている」からである。

「牧師や教会に躓きました。だからイエス・キリストを捨てたのです」という人はウソをついている。

本当に救いに選ばれている人は、何があってもイエス・キリストを捨てない。

真理のために生まれてきた人は、聖書啓示から絶対に離れない。

私はこう確信しています。死も、いのちも、御使いも、権威ある者も、今あるものも、後に来るものも、力ある者も、
高さも、深さも、そのほかのどんな被造物も、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできません。(ローマ8・38-39)

真に選ばれている人は、いかなる被造物にも影響を受けない。

真理に進んだ後に、逆戻りするような人は、「もともと」信者ではなかったのである。

全能の神である御霊が復活させた人が、イエス・キリストから離れることはありえない。

逆を言えば、御霊が働くならば、神の国の領土は絶対にもとに戻らないということである。

どんなに最新鋭の武器を持つ強大な軍隊でも、兵士の士気が低下し、戦意を失ったら終わりである。

武力によらなくても「人々の心を奥底から変えることによって、世界は征服できる」のである。

われわれの原動力は、全能の御霊による励ましである。

これ以上に強力な武器はない。

 

 

2019年10月21日



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