人々に仕える者だけが覇権を拡大できる


(1)

役者に向いている人とそうではない人の違いは歴然としている。

向いている人は、観客を芝居の中に引きこむ力がある。

向いていない人は、演技そのものが気になって芝居に入りこめない。

歌がうまい素人と、プロの歌手は違う。

プロは歌の世界の中に引きこむ力がある。

プロの歌手は、歌って人からお金をもらうために生まれてきたが、歌がうまい素人はそうではない。

職業とは、自分の仕事に対してお金を支払たくなるような品質のものを提供できるものである。

他人がお金を払いたくなるような仕事ができるならば、その仕事を選択すべきである。

(2)

さらに、プロは「それ以外の仕事をやると、自分の存在意義を失ってしまうので実存的苦しみがある」。

つまり、職業とは、「神の召し」なのである。

牧師とか伝道師だけが「働き人」「献身者」ではない。

祭壇に全焼のいけにえを捧げなければならなかったのは、イスラエル全員であった。

新約時代には、クリスチャンの体そのものが全焼のいけにえである。


そういうわけですから、兄弟たち。私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお願いします。あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげなさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です。(ローマ12・1)

クリスチャンは、それぞれが自分の職業を通じて、自らを全焼のいけにえとしてささげるべきである。

(3)

職業とは、「人に仕えること」である。

具体的には、「主に従うように、自分の権威に従」うことである。

「妻たちよ。あなたがたは、主に従うように、自分の夫に従いなさい。」(エペソ5・22)

その権威がどのような人かは関係ない。

しもべたちよ。尊敬の心を込めて主人に服従しなさい。善良で優しい主人に対してだけでなく、横暴な主人に対しても従いなさい。(1ペテロ2・18)

上司に反抗的な部下は、いずれ会社をクビになる。

仕事をくれるお客さんに対して不誠実、尊大にふるまうならば、仕事がなくなって、いずれ倒産する。

この世界は、「尊敬の心を込めて主人に服従」できる人が生き残るようにできている。

われわれが職業を通じて神の召しに応じることができるには、自分の上司や顧客を喜ばせ、彼らが自分の仕事に対してお金を払いたいと思わせなければならない。

(4)

覇権は、暴力や強制によって広がるのではなく、「仕えること」によって広がる。

人々から好かれ、気に入られ、お金を出したい気持ちを持たれることによってのみ覇権は拡大する。

暴力や強制による覇権の寿命は短い。

帝国主義は、軍備拡大によって自滅する。

的外れだから失敗する。

強制によって版図を拡大しても、住民に好かれていない政権に何の意味があるのだろうか。

ソ連のように、覇権が力によって拡大すると考える共産主義者が国を支配すると短命に終わる。

中国の寿命もあとわずかだ。

われわれは、このような愚かな方法を取らないように注意しよう。

われわれの武器は、福音であり、人々に仕えることである。

 

 

2014年8月15日



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