ティトゥスは、ネロの再来であり、蘇った悪魔である


1.

黙示録の「獣」は、ダニエル書7章の「第四の国」から現れる「もうひとりの王」である。


彼はこう言った。『第四の獣は地に起こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く。
十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。
彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる。
しかし、さばきが行なわれ、彼の主権は奪われて、彼は永久に絶やされ、滅ぼされる。
国と、主権と、天下の国々の権威とは、いと高き方の聖徒である民に与えられる。その御国は永遠の国。すべての主権は彼らに仕え、服従する(ダニエル7・23-27)

ローマ帝国の皇帝を以下に挙げる。

1.ユリウス・カエサル(紀元前49年 - 44年)

2.アウグストゥス・カエサル(紀元前31年 - 紀元14年)

3.ティベリウス・カエサル(紀元14 - 37年)

4.ガイウス・カリグラ・カエサル(紀元37年 - 41年)

5.クラウディウス・カエサル(紀元41年 - 54年)

6.ネロ・カエサル(紀元54年 - 68年―ヨハネ黙示録が書かれたとき6番目の皇帝)

7.ガルバ(紀元68年から69年)

8.(マルクス・サルウィウス・)オト(紀元69年1月15日 - 4月15日)[7、8、9は、根こそぎにされ、抑えつけられた3本の角]

9.(アウルス・)ウィテッリウス(紀元69年4月16日 - 12月22日)

10.ヴェスパシアヌス(紀元69年 - 79年)

11.ティトゥス(紀元79年 - 81年)

https://ameblo.jp/millnm/entry-12554887707.html

「十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。」

11(ティトゥス)は、7(ガルバ),8(オト),9(ウィテッリウス)を打ち倒した。

7,8,9はみな短命政権であり、ある学者によるとヴェスパシアヌスによって殺されたという。

68年にネロが死去し、ローマが不安定になると、ヴェスパシアヌスは他の近東の総督と共謀し、帝国を奪取した。
(Stanley L.Sandler, Ground Warfare:International Encyclopedia,vol.1, p.923.)

11(ティトゥス)は10(ヴェスパシアヌス)の将軍だったので、ヴェスパシアヌスによる革命はティトゥスの革命でもあった。

獣をティトゥスと考えるとダニエルの預言を合理的に理解できる。

2.

黙示録を見てみるとこの説がさらに補強される。

それから、御使いは、御霊に感じた私を荒野に連れて行った。すると私は、ひとりの女が緋色の獣に乗っているのを見た。その獣は神をけがす名で満ちており、七つの頭と十本の角を持っていた。・・・
ここに知恵の心があります。七つの頭とは、この女がすわっている七つの山で、七人の王たちのことです。(黙示録17・3-9)

獣はローマ帝国である。

ローマは7つの山の上に立っていた。そして、ローマ帝国には7人の王がいた。

この7人の王は、ヨハネがこの手紙を書いたときに「五人はすでに倒れたが、ひとりは今おり、ほかのひとりは、まだ来てい」なかった。

五人はすでに倒れたが、ひとりは今おり、ほかのひとりは、まだ来ていません。しかし彼が来れば、しばらくの間とどまるはずです。

黙示録の執筆年代を60年代とすると、1(ユリウス・カエサル)、2(アウグストゥス・カエサル)、3(ティベリウス・カエサル)、4(ガイウス・カリグラ・カエサル)、5(クラウディウス・カエサル)はすでに倒れていた。

そして、6(ネロ・カエサル:紀元54年 - 68年)は「今おり」、「ほかのひとり」つまり7(ガルバ:紀元68年 - 69年)は「まだ来てい」なかった。

カルバは1年にも満たずに廃位した。

「しかし彼が来れば、しばらくの間とどまるはずです。」

また、昔いたが今はいない獣について言えば、彼は八番目でもありますが、先の七人のうちのひとりです。そして彼はついには滅びます。

この「昔いたが今はいない獣」は「彼はついには滅びます」という文言から、ダニエルの次の箇所を想起させる。

彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる。
しかし、さばきが行なわれ、彼の主権は奪われて、彼は永久に絶やされ、滅ぼされる。

両者が同一と仮定すると、それは、ティトゥスということになる。

しかし、ティトゥスは11番目の王であり、8番目ではない。

8番目はマルクス・サルウィウス・オトである。

しかし、ダニエル書によれば、オトは、ガルバやウィッテリウスと同様に、ティトゥスによって「打ち倒」された王である。

十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。

したがって、これらの3人の王を強制的に廃位されたものとし、除外して数えると、

6.ネロ・カエサル(紀元54年 - 68年)

7.ヴェスパシアヌス(紀元69年 - 79年)

8.ティトゥス(紀元79年 - 81年)

となる。

つまり「昔いたが今はいない獣」とは「ティトゥス」である。

3.

そして、彼は、「先の七人のうちのひとり」であるから、「7人の王の一人の再来」である。

7人とは次のとおり:

1.ユリウス・カエサル(紀元前49年 - 44年)

2.アウグストゥス・カエサル(紀元前31年 - 紀元14年)

3.ティベリウス・カエサル(紀元14 - 37年)

4.ガイウス・カリグラ・カエサル(紀元37年 - 41年)

5.クラウディウス・カエサル(紀元41年 - 54年)

6.ネロ・カエサル(紀元54年 - 68年)

7.ガルバ(紀元68年から69年)

ティトゥスは、これらの一人の再来だというのである。

私は、ネロだと思う。

ティトゥスはネロの再来なのである。

しかし、「彼は、『昔いたが今はいない獣』と言われている。ヨハネが執筆時の皇帝はネロなので、『今はいない』というのはおかしい」という人がいるかもしれない。

今はいないのはティトゥスである。

ネロではない。

ティトゥスは、「昔いたが、今はいません。しかし、やがて底知れぬ所から上って来ます」。

「底知れぬ所」は悪魔の刑罰の場所である。

悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行け、とはお命じになりませんようにと願った。(ルカ8・31)

つまり、ティトゥスは、悪魔的な存在である。

あなたの見た獣は、昔いたが、今はいません。しかし、やがて底知れぬ所から上って来ます。そして彼は、ついには滅びます。地上に住む者たちで、世の初めからいのちの書に名を書きしるされていない者は、その獣が、昔はいたが、今はおらず、やがて現われるのを見て驚きます。(黙示録17・8)

ティトゥスは、ネロの再来であり、蘇った悪魔である。

 

 

2020年9月17日



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