真名井神社

 

私の友人の川口常仁氏(左から二番目)は、非常に興味深い体験をした方である。

1988年、車のディーラーをしている彼の事務所(東村山市)に、一人のお客さんが来た。彼女の名前は棟方と言い、棟方志功の親戚で、青森の人であった。

川口氏も祖父(溝江姓)が青森の人であったということを聞いて、彼女は「ああ、それじゃあ、こんど青森に帰った折に、先祖のことを調べておきましょう。」と言った。先祖のことなどあまり関心もなかったのだが、お願いしてみた。調べてもらってわかったのは、溝江家の先祖は朝倉一族の末裔であったということだった。

川口氏のもとで働いていた、古代史研究家の堀井氏がこれを聞いて「ああ、朝倉氏なら、日下部族だよ。」と言った。堀井氏は、アマチュア古代史研究家として著名な人物で、学界でも一目置かれている存在である。彼は日下部族の研究家だった。「なんだ、堀井さんはボクの先祖の研究をしていたのか。」と奇妙な一致に驚いた。

「そうだ、ちょうど、日下部族の実地調査に北陸・丹後方面に行くから、同行しませんか。」との誘いを受けた。

自分の先祖がどのような暮らしをしていたのか興味があったので、川口氏のお母様(溝江春子)と堀井氏と三人で、日下部の地に出発した。

日下部族は、古代の有力な氏族で、鉱山技術を持ち、天皇家を助ける働きをしていたという。鉱山に関係する地には、日下部族の痕跡が必ずといっていいほど残っているという。

現地で、一行は朝倉の旧跡を見て回り、川口氏とお母さんは宿で一服していると、そこに堀井氏と地元歴史研究家が帰ってきた。川口氏がなにげなく机の上においておいたものに、その歴史研究家の一人の目がとまった。それは、川口氏の教会の牧師がイスラエルに赴いたおりに、おみやげとして買ってきたキーホルダーで、「ダビデの紋」が入っていた。

「このマークなら、そこの神社の境内にありますよ。」

「えっ?どうして神社にダビデの紋があるの?」

ということで、さっそくその神社に出かけることにした。

言ったとおり、やはり、神社の碑にダビデの紋が入っているのである
http://www.millnm.net/qanda/manai/sekihi.jpg

それは真名井神社という神社で、日下部族が建てたものだった。石碑は長いこと土の中に埋もれていたのだが、その旅行の直前、地元の有志によって掘り起こされ、新しく復刻され、きれいな御影石になっていた。上部中央にそのダビデの紋「カゴメマーク」がついており(これは最近誰かによって消された)、「一、伊勢神宮ノ元宮」と書いてあった。つまり、真名井神社は伊勢神宮の元宮であり、ここから、伊勢に移されたのだった。

真名井神社は、食物の神様を奉っている。したがって、真名井神社から移って出来た伊勢神宮の外宮も食物の神様を奉っているのだ。その場に立った川口氏は、自分の先祖がユダヤ人であったことを直観した。真名井=マナ、ダビデの紋、そして、境内の小さな岩山から流れ出る清水=メリバの水。境内近くから見える「天の橋立」=天地を結ぶヤコブの梯子。これは、旧約聖書を知っている者でなければ、造れないシチュエーションではないか。

そこで、あわてて、東京にいる奥さんに電話したところ、ちょうどその時、奥さんは事務所の掃除をしているところだった。ふと見ると、棚に一冊のぼろぼろの本があった。それは、牧師が金沢に行ったおりに古本屋で買った三村三郎著「裏返して見た日本歴史」という本であった。http://www.millnm.net/qanda/manai/hon.gif
興味もないので長い間読まずに棚においてあった。その本を手にとってパラパラめくっていると、真名井神社についての記事が出ていた。ちょうどその時に川口氏から電話があった。「おい、大変なことが起こったぞ。真名井神社という神社があってだな…」「えっ?ここにも真名井神社って書いてあるけど…。」

このような偶然は、神がなさる以外には考えられない。

川口氏も奥さんも真名井神社についていかなる興味もなかった。それが偶然に同じものを見させられたということは何かの摂理、導きがあるとしか考えられない。同行の堀井氏は、冷徹な科学者である。実証性を重んじる彼ですら、今回の旅については奇跡の連続であったといっているのである(http://www.millnm.net/qanda/manai/html/joron.html)。

家に帰ってその本を手に取ると、著者三村三郎氏(毎日新聞記者)は、真名井神社は古代ユダヤ人が建て、もともとヤーウェをまつっていたと書いてあり、二重の驚きであった。

さらに驚くべきことがあった。その地を離れる時、お母さんが何気なく空を見上げると、1つの不思議な雲(http://www.millnm.net/qanda/manai/pht2.html)が浮かんでいるのに気づいた。それは、何か先祖がやさしく「よく来たね」と言ってくれているような気がしたという。そして、その雲は下のほうに向かってしずしずと降りていったという。

御母さんは、亡くなるまでいつもこの雲の話をしていた。

この旅を境にお母さんはまったく変わってしまった。それまでは熱心な日蓮宗徒で、川口さんや奥さんの信仰を嫌っていたのだが、「わたしの先祖がおまえの神様を拝んでいたのなら、わたしも信じる」と言い始めた。そして、御母さんはクリスチャンになった。川口氏と奥さんの12年の祈りが聞かれた。

この話しは実話である。

もしこの話しを直に聞きたいならば、川口氏に電話していただきたい。電話番号は、080-5933-8811である。留守の場合は、真名井神社について伺いたい旨、録音してくれれば後で電話してくれるはずだ。

堀井氏による旅行記は、http://www.millnm.net/qanda/manai/html/index.htmlを参照して欲しい。

 

 

01/05/16

 

 

 

http://www.millnm.net/qanda/manai/html/index.html



 



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